隣の家の木の枝が庭にはみ出してきてるんだけど、勝手に切っていいのかな…。
それ、法律的にちゃんと確認しておかないとトラブルになるやつですよ。
枝と根っこで扱いが違うって知ってましたか?
えっ、そんな違いがあるの?
2023年に法律が変わったとも聞いたんだけど……。
改正民法で「自分で切れる条件」ができたんですよ。
順番に確認していきましょう!
- 枝と根っこで法的な扱いがどう違うか
- 2023年の民法改正で自分で切れるようになった3つの条件
- 隣人への伝え方と同意書の作り方
- 空き家・所有者不明のケースを含む解決手順と費用負担の考え方
隣の家の木がはみ出しているときの基本知識


- 「勝手に切ってはいけない」という大原則と、その根拠になる法律
- 枝と根っこで異なる法的扱いの違い(ここを知るだけで対処が変わります)
- 2023年改正民法で何が変わったか、自分で切れる3つの条件
- 後々の交渉を有利にする証拠の集め方と証拠の種類
まずは「そもそも法律的にどうなっているの?」という基本を押さえておきましょう。
ここをきちんと理解しておかないと、うっかり違法な行動をとってしまう可能性があるんですよね。焦る気持ちはわかるんですが、最初に知識を整理しておくのがいちばんの近道だと思っています。
隣家の木がはみ出した場合の法律の基本ルール


隣の木の枝が自分の敷地にはみ出してきたとき、「自分で勝手に切っていいの?」というのが、多くの人が最初に持つ疑問だと思います。
結論から言うと、原則として勝手に切ってはいけません。これは民法233条に定められているルールで、木の枝はあくまで「所有者に切ってもらう権利がある」という話なんですよね。
「自分の敷地にはみ出してきているんだから、自分で切っていいんじゃないか」と思う気持ちはすごくよくわかります。ただ、法律の世界では、はみ出してきた枝であっても樹木そのものの所有権は隣人にあるという考え方が基本になっています。
許可なく切ってしまうと、最悪の場合、樹木の所有者から不法行為(民法709条)として損害賠償請求を受けるリスクもあります。たとえば、隣の大きな桜の木の枝が自分の庭に伸びてきて、邪魔だからと無断で切り落としたとします。「越境してきていたんだから仕方ないだろう」と思っても、法的には問題になる可能性があるわけです。
ただ、2023年4月に民法が改正されて、一定の条件を満たせば自分で切れるようになりました。この点については後ほど詳しく説明しますね。まずはこの「原則として切れない」という前提をしっかり頭に入れておいてください。
枝と根っこで異なる法的扱いとは


実は、枝と根っこでは民法上の扱いがまったく違います。ここ、意外と知らない人が多いんですよね。ぼくも最初は「どっちも同じじゃないの?」と思っていました。
枝については、前述のとおり「所有者に切ってもらうよう請求できる」という扱いで、自分では勝手に切れないのが原則です。一方、根っこは民法上、越境されている側が自ら切り取ることができます。
たとえば隣の木の根が自分の庭の地下に侵入してきて、排水管を詰まらせたり、基礎に影響を与えているような場合は、自分で対処できるということです。なぜ枝と根っこでこんなに扱いが違うのかというと、根っこは地中に隠れていて所有者が対処しにくく、越境された側が自分で対処するほうが現実的だという考え方があるからです。
また、根を切った結果として木が枯れてしまった場合でも、越境していた根を切った行為自体は適法と考えられています。ただ、必要以上の範囲を切るとか、明らかに度を超えた行為は問題になる可能性があるので、必要最小限の範囲で対処するのがおすすめです。
| 種別 | 自分で切れるか | 根拠 |
|---|---|---|
| 枝(地上部分) | 原則として不可(条件付きで可) | 民法233条第1項・第2項 |
| 根(地中部分) | 可(必要最小限の範囲で) | 民法233条旧来のルール(変更なし) |
まず自分が困っているのが「枝」の問題なのか「根」の問題なのかを確認するところから始めるのがいいと思います。
民法233条改正で変わった3つのポイント


2023年4月1日に施行された改正民法233条は、長年の「枝は勝手に切れない問題」を大きく変えた改正です。ぼくがこの改正を知ったとき、「ようやく現実に即したルールになったな」と感じました。特に空き家問題が深刻化している中で、所有者に連絡がつかないまま越境枝が放置されるケースが増えていたんですよね。
改正後は、以下の3つのケースに限り、越境された土地の所有者が自ら枝を切り取ることができるようになりました。
改正民法233条で自力切除が認められる3つのケース
- 竹木の所有者に枝を切除するよう催告したが、相当の期間内に切除しないとき
- 竹木の所有者を知ることができず、またはその所在を知ることができないとき(所有者不明)
- 急迫の事情があるとき(台風による倒木の危険など緊急性がある場合)
また、竹木が複数人の共有のものである場合は、各共有者が単独でその枝を切り取ることができるという規定も新設されました(民法233条第3項)。たとえば相続で複数の兄弟が土地を共有しているケースなどで、全員の合意がなくても対処できるようにするための改正です。
ただ、「自分で切れるようになった」といっても、いきなり切るのは避けたほうがいいと思います。まずは隣人への依頼から始めるのが、近隣関係を保つ意味でも一番スムーズな方法です。改正の詳細については、法務省「令和3年民法・不動産登記法改正、相続土地国庫帰属法のポイント」でも確認できます。
越境枝対処に必要な証拠の集め方


「証拠なんて大げさでは」と思うかもしれませんが、これが後々とても重要になるんですよね。ぼくも最初は「まあ話し合えばなんとかなるか」と軽く考えていたのですが、トラブルが長引くほど、証拠がないと話が進まなくなります。特に催告書を送った事実や、越境が続いている事実を証明するうえで、証拠の有無が大きな差を生みます。
最初の段階でやっておきたい3つの証拠保全
- 越境している枝や根の写真を日付入りで撮影する
- 被害が出ている場合(落ち葉の溜まり具合、屋根への接触など)も合わせて撮影する
- 境界線の確認(境界杭や測量図を確認しておく)
境界線の確認は特に大事で、「どこからが自分の敷地か」が曖昧なままだと、越境しているかどうか自体が争点になってしまいます。境界杭が見当たらない場合や、そもそも境界が確定していない場合は、土地家屋調査士に相談して測量してもらうことも一つの選択肢です。費用はかかりますが、これを曖昧にしたままトラブルが長引くほうがコストは大きくなりがちなので、早めに確認しておくのがおすすめです。
隣人への上手な伝え方と同意書の作成


法律の話がわかったところで、実際に隣人にどう伝えるかが一番の悩みどころですよね。ぼくもこれが一番ハードルが高かったです。「角が立つかな」「関係が悪くなるかな」と考えると、なかなか動けなくて……。でも実際に話してみると、意外とスムーズだったりします。相手も気づいていないだけのケースも多いので、まずは穏やかに話しかけるのが一番です。
口頭での伝え方の例
たとえばこんな感じで伝えると相手も受け取りやすいです。
「お隣の木の枝が少しこちらの敷地に伸びてきているようで、ご確認いただけますか。差し支えなければ対応していただけると助かります」
責める言い方ではなく、「お願い」のトーンで話すのがポイントだと思っています。最初から「これは法律違反だ」という言い方をしてしまうと、相手が防御的になって関係がこじれやすいんですよね。「お互いにとってよい状態にしたい」というスタンスで話しかけると、相手も協力的になりやすいです。もし対面で話すのが難しい場合は、手紙で依頼する方法もあります。
同意書を作る場合のポイント
「自由に切っていいよ」と言われたときは、必ず書面(同意書)に残しておくことをおすすめします。口頭の約束だけだと、後から「そんなこと言っていない」というトラブルになることがあるんですよね。ぼくの知人が経験した話なんですが、隣人から口頭で了解をもらって枝を切ったら、後日「そんな許可は出していない」と言われてもめてしまったケースがあります。
同意書に入れておくべき6つの項目
- 日付
- 隣人の氏名・住所
- 対象の樹木(場所・種類)
- 切除する範囲
- 費用負担の取り決め
- 双方の署名・捺印
隣の家の木がはみ出した場合の解決手順


穏やかに話しかけてみたんだけど、相手がなかなか動いてくれなくて。
次はどうしたらいいんだろう。
そういうときは「催告書」という手段があります。空き家で所有者不明な場合の手続きも含めて、具体的な動き方を確認していきましょう!
- 催告から自力切除までの手順と、各ステップで必要な記録
- 被害の種類ごとに変わる対応の優先度(落ち葉から倒木危険まで)
- 隣家が空き家・所有者不明の場合の調べ方と相談先
- 費用負担の考え方と、話し合いがこじれた場合の法的手段
基本知識がわかったところで、次は「実際にどう動くか」の手順を解説します。状況によって対応が変わるので、自分のケースに当てはめながら読んでみてください。
催告から自力切除までのステップ


隣人への任意の申し入れがうまくいかなかった場合、次のステップに進む必要があります。改正民法233条に基づいて自力切除を行うには、手順を踏むことが重要です。手順を省いてしまうと、せっかく切除しても「違法な行為だ」と言われるリスクが残ってしまいます。
STEP1:書面による催告
口頭での依頼が効果なかった場合、書面(できれば内容証明郵便)で催告を行います。内容証明郵便は郵便局で送ることができ、「いつ、何を送ったか」が公的に証明されます。後から「そんな手紙は受け取っていない」と言われるリスクを防げるので、できれば内容証明の形にしておくのがおすすめです。
催告書面に明記しておきたい内容
- 越境の事実(いつ頃から、どの程度か)
- 被害の内容(落ち葉、接触、害虫など)
- 切除の要求
- 対応期限の明示(例:○月○日まで)
- 期限内に対応がない場合は自ら切除する旨の予告
STEP2:相当期間の経過を待つ
催告から相当の期間(目安は約2週間)が経過しても対応がない場合、自ら切除することが法的に認められます。この「約2週間」はあくまで法務省の解説による目安で、法律上の明確な定めではありません。樹木の規模や切除の難しさによっては、2週間では短すぎると判断される可能性もあります。状況に不安を感じる場合は、弁護士に確認するのがおすすめです。
待機している間も、「催告したのに何も変わっていない」という状況を写真で記録しておくと、後々の証拠になります。
STEP3:切除後の費用・枝の扱い
切除した枝は、原則として竹木の所有者のものです。勝手に廃棄してしまうとトラブルになる可能性があるので注意が必要です。「枝をどこに置けばいいのか」という疑問も出てくると思いますが、所有者に連絡して引き取ってもらうか、了解を得た上で処分するのが安全です。
また、切除にかかった費用は領収書を保管しておき、所有者への費用請求に備えておきましょう。請求が実際に通るかどうかは状況によりますが、証拠を残しておくことが大切です。
被害の種類別に見る対応の優先度


越境による被害の種類はさまざまで、深刻さによって対応の優先度も変わります。自分の状況がどのレベルにあるかを確認してみてください。
| 被害の種類 | 深刻度 | 主な対応方針 |
|---|---|---|
| 落ち葉が庭や雨樋に溜まる | 低〜中 | 隣人への任意の申し入れ |
| 毛虫・害虫が発生する | 中 | 隣人への申し入れ+被害記録の保全 |
| 屋根・外壁への物理的な接触 | 中〜高 | 書面による催告、損害賠償請求の検討 |
| 排水管の詰まり・根による基礎損傷 | 高 | 根の自力切除+損害賠償請求 |
| 台風等による倒木・落枝の危険 | 緊急 | 急迫の事情として自力切除が可能 |
たとえば落ち葉の被害については、裁判例でも「大量の落ち葉が落ちるだけでは直ちに違法とは言えない」という判断が出ているケースがあります。落ち葉系のトラブルは日常的に起こりやすいですが、法的に争うのが難しいケースも多いんですよね。まずは穏やかな申し入れで解決を目指すのが現実的です。
一方、毛虫(特にチャドクガなど)が発生して近隣住民に皮膚炎などの健康被害が出た場合は、樹木の所有者が消毒や剪定を怠ったとして損害賠償が認められたケースもあります。健康被害が出ているなら、被害の記録(医療機関の受診記録など)を残しておくことが重要です。
台風が来る前など、倒木の危険が差し迫っている場合は、急迫の事情として自力切除が認められる可能性があります。ただしこの場合も、できる限り隣人や管理者への連絡を試みた記録を残しておくと安心です。
隣家が空き家で所有者不明の場合の手続き


空き家や所有者不明のケースは、近年どんどん増えているんですよね。総務省の「住宅・土地統計調査(2023年)」によると、全国の空き家数は約900万戸、空き家率は約13.8%と過去最高水準になっています。「隣が空き家で、誰に言えばいいかわからない」という状況は、特に困りますよね。
まず登記簿謄本で所有者を調べる
所有者が誰かわからない場合、まず登記簿謄本(登記事項証明書)で調べることができます。登記簿謄本には土地・建物の所有者名や住所が記載されているので、ここから連絡先を調べることが可能です。
登記簿謄本の取得方法は3つあります
- 法務局の窓口で請求する(手数料1通600円)
- 郵送で請求する
- オンライン(登記ねっと)で請求する(手数料480〜500円程度)
所有者が死亡している場合は相続人を調べる
登記上の所有者がすでに亡くなっている場合は、戸籍謄本等で相続人を調査する必要があります。これはかなり手間がかかる作業なので、司法書士や弁護士に依頼するのが現実的だと思います。相続が複雑で相続人が多数いるケースや、相続放棄されているケースもあるので、専門家のサポートがあると安心です。なお、2024年4月からは相続登記が義務化されたので、今後は所有者情報が登記に反映されやすくなることが期待されています。
市区町村の窓口に相談する
空き家の場合、市区町村の空き家対策窓口や生活安全課に相談することもできます。空家特措法(空家等対策の推進に関する特別措置法)に基づき、著しく危険な状態の空き家は「特定空家」に指定され、行政指導や行政代執行の対象になる場合があります。
ただ、木の枝がはみ出しているだけの状況では、行政が直接動いてくれる可能性は低いのが現実です。あくまで「相談窓口として活用できる」という位置づけで考えておくのがよいかもしれません。倒木の危険があるなど安全上の問題が明確な場合は、行政も動きやすくなるので、状況をしっかり伝えることが大切です。
費用は誰が負担するかの判断基準


「結局、費用は誰が払うの?」というのも、気になるポイントですよね。原則として、伐採・剪定の費用は樹木の所有者が負担するのが基本的な考え方です。民法改正後のルールでは、越境された側が自ら切除した場合も、その費用を竹木の所有者に不当利得や不法行為として請求できる可能性があります。
ただし、実際に費用を回収できるかどうかは、所有者の協力姿勢や資力によるところも大きいんですよね……。「費用は請求できる権利があっても、実際に払ってもらえるかは別の話」というのが現実です。なので、費用の問題については事前に隣人と話し合っておくのが一番スムーズだと思います。
伐採・剪定の費用の目安
| 作業内容 | 費用の目安 |
|---|---|
| 低木(2m以下)の剪定 | 3,000〜8,000円/本程度 |
| 中木(2〜4m)の剪定 | 8,000〜20,000円/本程度 |
| 高木(4〜7m)の剪定 | 15,000〜40,000円/本程度 |
| 高木(7m以上)の伐採 | 50,000〜150,000円以上 |
| 根の処理(抜根) | 10,000〜50,000円程度 |
これはあくまで一般的な相場の目安です。高所作業やクレーンが必要な場合は別途費用がかかることがありますし、樹木の種類や状態によっても変わります。実際の費用は業者によって大きく異なるので、複数の業者から見積もりを取って比較するのがおすすめです。費用を隣人に負担してもらう場合は、事前に見積もりを共有して了解を得ておくことで、後から「こんなに高い費用だったのか」と言われるトラブルを防げます。
トラブルが長引く場合の法的手段


話し合いや催告をしても解決しない、または損害賠償を請求したいという場合は、法的な手段も視野に入ってきます。ぼくも「裁判って大変そう」というイメージがあったのですが、調停という選択肢なら比較的ハードルが低いんです。法的手段にはいくつかの段階があって、すぐに裁判というわけではないので、少し安心してもらえると思います。
法的手段の2つの段階
- 調停(簡易裁判所への申立て):費用は数千円程度、弁護士なしで申立て可能。調停委員が間に入って話し合いを進めてくれるので感情的になりにくい
- 妨害排除請求・損害賠償請求訴訟:調停が不成立の場合の次のステップ。越境の認識と放置の事実が証明できれば損害賠償が認められる可能性がある
こうした法的手段に進む場合は、弁護士への相談をおすすめします。証拠の準備や手続きについてアドバイスをもらえますし、相手への交渉も任せることができます。法律に関することは専門家への確認が一番確実です。最終的な判断は必ず弁護士などの専門家に相談するようにしてください。
隣の家の木のはみ出し問題を解決するためのまとめ


というわけで、隣の家の木がはみ出している問題について、法律の基本から具体的な手順までをまとめました。
- 枝は原則として勝手に切れない。根っこは越境された側が自分で切り取ることができる
- 2023年4月の民法改正で、催告後に対応がない場合・所有者不明・緊急性がある場合の3条件に限り、自力で切除できるようになった
- まずは証拠を残しながら隣人へ穏やかに依頼するのがベスト。同意を得たら必ず書面に残す
- 隣家が空き家の場合は登記簿謄本で所有者を調べるところから始める
- 費用は原則として樹木の所有者負担。解決しない場合は調停や弁護士への相談という選択肢がある
近隣トラブルは感情的になりやすいんですが、まず「正しい知識」を持ってから動くのが一番の近道だと思っています。「角を立てずに解決したい」という気持ちはよくわかります。ただ、放置しておくと被害が拡大したり、後手に回ってしまうこともあるので、早めに動くのがおすすめです。
法律や費用の扱いは状況によって異なるので、具体的な判断については弁護士や司法書士などの専門家に相談してみてください。この記事はあくまで情報の整理を目的としたもので、個別の法的アドバイスを提供するものではありません。この記事が、はみ出してきた木への対応に悩んでいる方の参考に少しでもなれば嬉しいです。


庭じまいの業者選びについて詳しくまとめた記事はこちらです。












