空き家の庭の管理は誰に頼む?費用の目安と、あと何年持つかで決める片付け方

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石の門柱の間から見た、雨戸を閉めた平屋と、木や草が伸びた庭の絵。「空き家の庭の管理」「通って保つか、一度片付けるか」の文字と、家を指す矢印の先に「決め手は、この家をあと何年持つか」と書いてある

空き家の庭の管理を人に頼むと、見回りだけなら月4千円ほどから頼めます。ただ、草刈りや剪定は別の料金になって、家を持っている限り毎年かかり続けるんです。

離れて住んでいると、庭がいまどうなっているのか、見に行けないこと自体が気がかりですよね。質問サイトにも「遠方に住む私が年に1、2度様子を見に行く程度になります」という声がありました。

私も、ここ数年は仕事と子どもの用事に追われて実家へ行く回数が減ったので、行けない間の庭が気になる気持ちは少し分かるつもりです。

頼み先がなかなか決まらないのは、いちばん無理なく済む方法が、その家をあと何年持つかで変わってくるからなんです。

通って庭を保つのか、一度片付けて手を離すのか、その決め方をこの記事で一緒に考えていきます。ご実家の空き家の庭がいくらで片付くかは、業者さんが現地を見て初めて出せる金額なので、そこは見積もりで確かめていきます。

この記事で分かること

  1. 庭に何のためにお金をかけるかは この家をあと何年持つかで変わってくる
  2. 見回りのサービスがしてくれるのは 庭を見て写真で知らせるところまでで 草刈りは別の見積もりになっていた
  3. 私の計算では 同じくらいの庭どうしで比べると 一度片付ける費用は通い続ける費用の2年分あまり

空き家の庭は、放っておくとどうなるのか

市に寄せられる空き家の相談でいちばん多いのは、庭の草木のことだそうです。草木が伸びて道の見通しが悪くなったり、タヌキやハクビシンが住みついたり、スズメバチが巣をつくったりすることもあります。

出典:阿賀野市「空き家・空き地の適正な管理と有効活用(空家等対策)」

ねずみや虫が出やすくなる、という案内もありました。離れて住んでいると、こうした変化に気づけるのは、見に行けたときだけになってしまうんですよね。

私の実家には、いまも父が暮らしています。それでも、家のほうは古びていく一方で、庭の木は勢いを増して広がっていくように見えます。

雨戸を閉めた家の庭で草が伸びつるが塀にからむ絵
雨戸を閉めた空き家の庭に草が伸びた絵

人が住んで手を入れている家でさえそうなので、誰も住んでいない家の庭なら、なおさらだろうなと思います。

草木が伸びたままだと、ご近所だけでなく、市から声がかかることもあります。何度か声がかかっても手を入れないままだと、土地の固定資産税の軽減が受けられなくなる場合もあるそうです。

ただ、急いで何かをしてほしいという話ではありません。家を持っている限り、庭はどこかで誰かが見ておく必要がある、ということなんです。

離れて住んでいると、庭の管理は誰に頼めるのか

離れた家の庭を任せられる先には、主に次の4種類があります。

頼み先庭でしてくれること費用の目安
見回りのサービス月1回ほど見に行き、庭木や雑草の様子を写真で知らせる月4千円ほどから。草刈りは別の見積もり
空き家の管理を代わりにする会社見回りに加えて、換気や簡単な掃除など月ごとの料金。剪定は別の見積もりが一般的
シルバー人材センター草取りや剪定を、作業した時間に応じた料金で引き受ける。空き家の見回りを引き受けるセンターもある料金は作業の時間で決まる。受けてもらえる木は、高さ3〜4mほどまで
植木屋の年間の手入れ剪定や草刈りを、年に何回か庭木5〜15本ほどで、年に3万円台〜15万円ほど(含む作業は会社で違う)

(見回りのサービスと空き家の管理の会社の案内、シルバー人材センター9か所、植木屋の会社2件を確認しました)

作業着の人が空き家の門を開けて庭を見に来た後ろ姿の絵
空き家の庭を見回りに来た人の後ろ姿の絵

見て知らせてもらうのか、それとも手を動かしてもらうのか。表を見ると、この違いで頼む先が変わってくるのが分かります。

立ち会えないことが心配な方も多いと思いますが、作業の前と後を写真で報告してくれる植木屋さんや造園の会社もあります。遠くに住む人から空き家の庭の手入れを頼まれても、立ち会いなしで引き受けると案内している会社も見つかりました。

毎年の手入れを植木屋さんに任せたときの金額や頼み方は、次の記事で見比べられるようにしてあります。

ここでよく出てくるのが、見回りを頼んでおけば庭もひとまず大丈夫なのでは、という考えです。

見回りを頼めば、庭は保てるのか

結論から言うと、見回りだけでは庭は保てないと私は考えています。見回りのサービスがしてくれるのは、庭を見て、写真で知らせるところまでだからです。

実際に見回りのサービスの案内を見ても、草刈りは「都度見積」と別になっていました。空き家の管理を代わりにする会社でも、剪定は別の見積もりになるのが一般的だそうです。

つまり庭を保とうと思うと、見回りに草刈りと剪定を足していくことになるわけです。

例として、見回りを12か月続けながら、高さ3〜5mの木2本を年に1回剪定し、30㎡ほどの草を年3回刈ってもらうとします。私の計算では、合わせて年7万〜13万円ほどです。これは、切った枝を運んで処分する費用や、高い所で作業する車を入れていない金額です。

通って保つ1年の費用の計算の図。見回りは月4,280円×12か月で約5万1千円、木2本の剪定(3〜5m・年1回)と30㎡の草刈り(年3回)が1万7千〜7万7千円で、合わせて年7万〜13万円ほど(処分費と高所作業車は入れていない)。見回りは「見て知らせる」までで、草刈り・剪定は別の見積もり
通って保つ1年の費用は私の計算で年7万〜13万円ほどで処分費と高所作業車は入れていない

しかもこれは、家を持っている限り、毎年続いていく金額なんですよね。

うちの実家の庭も、1、2年手入れをしなかったら手が付けられなくなるだろうなと、私は思っています。草木の手入れは、間を空けるほど次の1回の手間が大きくなっていくものなんです。

通い続けるか、一度片付けるか。決め手は、この家をあと何年持つか

ここで先に考えておきたいのが、この家をあと何年持つか、という点です。持つ年数によって、庭に何のためにお金をかけるかが変わってくるからです。

この家をあと何年持つか庭の進め方気をつけること
1〜2年のうちに売る庭にお金をかけすぎず、見回りと草刈りでつなぐ庭木を残して渡すか、片付けて渡すかは売り方で変わる
まだ決まっていない/数年は持つ高い木を切り、地面を覆って、通わなくても荒れにくい形に一度変える住んでいない家なら、地面を全部固めてしまうほうが合うこともある
いずれ家族が住む・貸す残す木を1、2本決めて、ほかを片付ける大きな木を移してまで残さない
この家をあと何年持つかで分かれる3つの道を、上から見た同じ庭の絵で並べた図。1〜2年のうちに売るなら見回りと草刈りでつなぎ、まだ決まっていない・数年は持つなら高い木を切って地面を覆って一度変え、いずれ家族が住む・貸すなら残す木を1、2本決めてほかを片付ける
この家をあと何年持つかで見回りと草刈りでつなぐか一度変えるか残す木を決めるかが分かれる

決まっていないときと、売るとき

いちばん迷うのは、真ん中の、まだ決まっていない場合だと思います。この場合は通い続けるより、一度片付けるほうが、費用も気持ちも軽くなることが多いと私は考えています。

一方で、売ることが決まっているなら、片付けを頼む前に不動産会社に一言聞いておくと二度手間になりません。売るときに庭木や庭石を片付けるのか、残して渡すのかは、売り方と契約で決まるからです。

片付けた家の人たちの声

質問サイトを見ていると、空き家になった実家の庭で、大きくなって手間のかかる木は切ってもらい、残す木はできるだけ小さくしてもらった、という声がありました。兄弟で話し合って木を全部切り、砂利をまいて草を抑えた家もあったそうです。

ただ、その家でも、夏の前と秋の草刈りは続いていたそうです。

大きな庭石があるとき

もうひとつ、大きな庭石がある場合は、片付けの費用がかさみやすくなります。処分の費用だけで1kgあたり30〜60円ほどかかって、掘り出しや運び出しはまた別になるからです。

実家の庭をどんな順番で片付けていくかは、こちらの記事にまとめています。

空き家の庭木を切ると、いくらかかるのか

空き家の庭を片付けるときの主な作業の費用を、公開されている料金の例から拾うと、次のとおりです。

作業目安
木を切る(高さ3m未満)1本3,000〜10,000円
木を切る(3〜5m)1本8,000〜25,000円
木を切る(5〜7m)1本15,000〜35,000円
根を掘り起こして抜く(幹の太さ30cmまで)1本1万〜2万円ほど
切った枝や幹を運び出して処分する軽トラック1台分で5,000〜16,000円ほど
防草シート(地面にかぶせて草を抑えるシート)を敷いて砂利で覆う1㎡あたり3,000〜5,000円ほど

(木を切る費用は3件、根を抜く費用は4件、処分は7件、地面を覆う費用は4件の公開情報を合わせて出した目安です)

雨戸を閉めた家の庭で脚立に乗って木を切る作業着の人の後ろ姿の絵
空き家の庭で高い木を切る作業の人の後ろ姿の絵

切った木が多いと運び出しの量も増えるので、処分の費用はそのぶん上がります。

木3本と30㎡で考えた例

たとえば3〜5mの木3本を切って根を抜き、30㎡ほどを防草シートと砂利で覆うと、私の計算では15万〜30万円ほどになります。地面を平らにならす費用や、高い所で作業する車は入っていない金額です。

一度片付ける例の費用の内訳の図。3〜5mの木3本を切るのが2万4千〜7万5千円、根を抜くのが3万〜6万円、運び出して処分が5千〜1万6千円、30㎡を防草シートと砂利で覆うのが9万〜15万円で、合わせて15万〜30万円ほど(地面をならす費用・高所作業車は入れていない)
一度片付ける例は私の計算で15万〜30万円ほどで地面をならす費用と高所作業車は入れていない

さきほどの、通い続ける費用と比べてみてください。同じくらいの庭どうしで比べると、一度片付ける費用は、通い続ける費用の2年分あまりです。

つまり、2年あまり通い続けるのと同じくらいの費用で、一度片付けてしまえる、ということなんです。

立ち会えないときの考え方

立ち会いが難しいことも、片付けを迷う理由になりやすいと思います。ただ、立ち会うのは基本的に着工の日の打ち合わせと完成の時の確認だけでいい、としている外構(家の外まわりの工事)の会社もありました。

片付けたあとの地面をどんな形にするかは、外構の会社の受け持ちです。その案と見積もりは、タウンライフリフォームの外構特集から、離れたまま何社かに無料で頼めます。

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無料で、片付けたあとの庭の案と見積もりを取り寄せる

会社は複数選んだ状態で進めてください。何社かの案と金額を並べられるので、離れていても比べて決めやすくなります。

ただ、ここまでの金額はあくまで例です。結局、自分の家の庭ならどのくらいなのか、読みながらそこが気になってきた方も多いと思います。

自分の空き家の庭だと、いくらになるのか

正直なところ、空き家の庭の金額は、業者さんに現地を見てもらって初めて出てくるものなんです。遠くに住んでいて立ち会えない人には、担当者が訪ねて様子を見たうえで、提案と見積もりを出すという会社もありました。

旅行かばんを持って空き家の門の前に立つ人の後ろ姿の絵
久しぶりに空き家へ来て庭を見る人の後ろ姿の絵

困るのは、離れて住んでいると、誰に庭まで来てもらえばいいのかが見えにくいことです。木は植木屋さん、切った跡の地面は外構の会社と、作業ごとに相手が変わるのも悩ましいところなんですよね。

どこに頼めばいいのかは、こちらの記事で順番にまとめています。

離れた家の庭で、頼み先を一つずつ探すのが大変なら、タウンライフリフォームの外構特集という窓口があります。庭の工事を受ける会社とのあいだに立つサービスで、相談先は向こうが選んで並べてくれますし、提案と見積もりにお金はかかりません。

申し込みの画面で聞かれること

申し込みの画面では、出てくる質問に、用意された答えを押しながら進んでいきます。最初に戸建てかどうかを聞かれ、そのあと家が建ってからの年数、手を入れたい場所の順に質問が続きます。

年数の答えには「築20年以上」、場所の答えには「庭」という選択肢があります。

途中で「ちなみに、今のところご予算は」という質問もありますが、ここはおおよその心づもりを選べば足ります。家の所在地を入れると、続けて「現在、こちらの住所にお住まいですか」と聞かれます。

答えには「はい」のほかに「いいえ」も並んでいるので、離れて暮らす家族が実家の庭のことで申し込む形にも合っています。

空き家の住所などに答え終わってから、最後に名前を入れます。

こうして答えていけば、離れて暮らしていても、タウンライフリフォームの外構特集を通して何社かの外構の会社の見積もりを無料で取り寄せられます。

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申し込む前に、よく出る心配

お金は?
公式の案内では、利用は無料で、契約のあとに利用料が上乗せされることもありません。
断れる?
公式の案内では、希望に合う会社が見つからなければ契約は要りません。断りにくいときは、代わりに会社へ伝えてもらうこともできます。
連絡は?
公式の案内では、申し込みのあと、1週間以内をめどに、メールや電話などで連絡が来ます。
無料で、離れた家の庭の見積もりを頼む

会社は複数選んだ状態で進めてください。空き家の庭をどう変えるか、届いた何社分かの案と金額を比べてから決められます。

このサービスが向いていない人

ちなみに、頼む会社がすでに決まっている方や、切りたい木が1、2本だけの方には、このサービスは向いていません。その程度の作業なら、近所の植木屋さんに直接電話したほうが話が早く進みます。

近いうちに売ることが決まっていて、庭はそのまま渡す方も、急いで見積もりを取らなくていいと思います。それから、家のある場所によっては、紹介できる会社が出てこない場合もあります。

見積もりを頼むとき、離れていても伝えておくこと

離れて住んでいるからこそ、最初に伝えておくと話が早く進むことが3つあります。

ひとつめは、立ち会えない日があることと、写真での報告がほしいことです。作業の前と後には立ち会いを頼むプロが多いものの、遠くに住んでいれば電話や画像で知らせてくれる、という職人さんの答えもありました。

ふたつめは、切った枝や幹を運び出して捨てるところまで、見積もりに含まれているかです。根を抜く費用に、処分や地面をならす費用が入っていないこともあるので、見積もりの中で確かめておくと安心です。

みっつめは、空き家の解体の補助を考えているかどうかです。

注意

庭の木の片付けが補助の対象になるかどうかは市によって違い、契約したあとでは使えない市もあるので、先に市に聞いておくと確実です。

出典:函館市「令和8年度函館市空家等除却支援補助金」

補助金の探し方は、こちらの記事でまとめています。

離れていても、見積もりのときに伝えておく3つを書いたメモの図。1つめは立ち会えない日と写真での報告がほしいこと、2つめは運び出しと処分が入っているか、3つめは空き家の解体の補助を考えているなら先に市に聞くこと
離れていても見積もりのときに写真での報告と運び出しと処分と補助のことを伝えておく

結論

空き家の庭をどうするかは、誰に頼むかより先に、この家をあと何年持つかで決まってきます。

あと1、2年で手放すなら見回りと草刈りでつなぎ、まだ決まっていないなら、通い続ける2年分あまりの費用で一度片付けることも考えてみてください。離れていても、写真と電話のやりとりで、庭の片付けは進めていけます。

よくある質問

Q1.市が指定する相談先はあるか

A.離れて住んでいて空き家の相談先に迷うなら、堺市のように、空き家の管理や活用の相談に乗る法人を市が指定している所があります。堺市は、指定した2つの法人が空き家の持ち主などからの管理や活用の相談に応じ、相談から売却や賃貸、解体などの活用までまとめて支える体制を整えたと案内しています。私だったら、空き家のある市区町村の空き家の担当に、同じような法人が指定されているかを先に聞くと思います。

出典:堺市「空家等管理活用支援法人について」

Q2.空き家バンクとは何か

A.いずれ売るか貸すかを考えているなら、空き家バンクを調べてみる手があります。滋賀県の説明では、空き家バンクは「空き家の賃貸・売却を希望する人が登録した情報を、空き家の利活用を希望する人に紹介する制度」です。滋賀県の一覧では、県内の19の市町に空き家バンクがあり、市町のほか民間の団体が運営しているものもあります。登録する前に、庭をどこまで片付けておくかを市町の窓口に聞いておく手もあります。

出典:滋賀県「空き家バンクのご案内」

Q3.庭を無料で点検してもらえるか

A.空き家が静岡市にあるなら、市と協定を結んだ造園の協会による「空き家のお庭無料点検」があります。静岡市は、空き家の管理のポイントとして、敷地内の草木の手入れを定期的にすること(年2回程度推奨)も挙げています。私だったら、空き家のある市に同じような点検の仕組みがないかを聞いたうえで、見回りとは別に草木の手入れを頼む回数を先に決めると思います。

出典:静岡市「空き家の適切な管理」