実家の広い庭を持て余したら。家は残して、庭の部分だけを貸す・建てる前に見ておく3つ

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門と生け垣のある古い二階建ての家の横に、広い芝生が広がる絵。芝生の一部を点線で囲み、「家は残して、庭の部分だけ貸す・建てる」の文字

実家の広い庭は、家を残したまま、庭の部分だけを貸したり、建物を建てて貸したりもできます。その前に見ておきたいのは、固定資産税、1つの敷地に建てられる建物の数、道との接し方の3つです。

私の実家でも、行くたびに父と「庭が大変だ」という話になります。これまで手入れを減らす方法を調べてきましたが、今回は庭の土地を別のことに使う方法を調べました。

「広い庭 活用」で検索して上位8本の記事を読むと、庭を人に貸す話は1本もありませんでした。一方で、自治体のページには、庭の一部を人に貸すと、その部分は税の軽減から外れるとあります。

この記事で分かること

  1. 庭の一部を人に貸すと その面積は固定資産税の軽減を受けられなくなる
  2. 建築基準法では一敷地一建築物が原則なので 親の家の庭に貸すための家を別に建てるなら 敷地を分けて考えることになる
  3. 都市計画区域で庭を分けて建てるなら 分けたあとの土地も道に2m以上接する必要がある

広い庭の使い道を探すと、なぜ「貸す」話が出てこないのか

私は検索で上位に出る8本に、どんな言葉が出てくるかを数えました。8本は、外構(家の外まわりの工事)や造園、住宅の会社の記事と、家を新築した人の質問です。

芝と大きな木が何本もある広い庭と古い2階建ての家の絵
大きな木が何本もある広い庭の古い家の絵

この8本のうち、庭を人に貸す話は0本でした。反対に、家庭菜園かウッドデッキの話は8本すべてに出てきます。

「分筆」や「住宅用地」という言葉が出てくる記事も、8本の中にはありませんでした。どの記事も、新しく家を建てた人が庭を楽しむための使い方を並べています。

親の家の広い庭は、楽しむどころか、手入れが負担になっている庭だと思います。同じ「広い庭」でも、探している答えが少し違うわけです。

庭のまま手入れを減らしたい方には、こちらの記事があります。

親の家の広い庭なら、楽しむ使い方より先に、庭の土地を人に使ってもらう使い方から見るほうが、探している答えに近づきます。

庭の部分だけで始められる活用には、どんな種類があるのか

家を残したまま始める活用は、建物を建てないものと、建てるものに分かれます。

広い庭の一部に小さな畑が並び奥に家が見える絵
広い庭の一部を貸し畑にした絵

建物を建てない活用は、初期費用が安いぶん収入も小さめです。建てる活用は、費用も収入も大きくなります。

種類建物広さの目安初期費用の目安家を残したまま始めるときに見ること
月極駐車場要らない車1台で約15㎡から砂利か舗装と、区画の線で始められる車の出入り口と家の出入り口
時間貸し駐車場要らない20坪で2〜4台ほどゲート・精算機・看板が要る人の出入りが増える
資材置き場(更地で貸す)要らない—整地くらいで始められる重機やトラックの出入り
貸し農園要らない—整地とロープで始められる。水道が要る水道をどこから引くか
トランクルームコンテナを置く(建築確認=工事の前の許可の手続きが要る)20坪で屋外型5〜10室300万〜700万円(20坪の例)住宅街では置けない場合がある
戸建て賃貸建てる30坪の例約3,000万円(30坪・3階建ての例)敷地を分ける必要があるか(下の見出しで説明)

(土地活用の解説3件と、国の駐車場の設計の指針を読み比べて並べました。費用は記事ごとの例で、土地や地域で変わります)

狭い土地の解説では、15坪を下回る土地に建物を建てるのは相当に難しいそうです。15坪を下回る広さなら、建物より駐車場のほうが向いています。

駐車場にして貸すときの工事代と、先に決めることは、別の記事で詳しく見ています。

貸さずに自分の車を停める駐車場にするなら、工事の費用はこちらです。

貸さずに空けておくだけでも、庭の草は伸びていきます。父の庭を見ていても、この広さだと1、2年放っておけば手に負えなくなると私は感じます。

家を残して庭の一部で始めるなら、まず建てない4種類にするか、建てる・置く2種類にするかを決めます。そうすると、比べる候補がぐっと減ります。

庭の一部を人に貸すと、固定資産税はどう変わるのか

家が建っている敷地は、固定資産税が軽くなる扱いを受けています。軽くなるのは、課税標準(税をかける元になる額)です。

長野市のページでは、住宅1戸につき200㎡までの部分は、課税標準を6分の1の額までとしています。200㎡を超える部分は3分の1が上限で、300㎡の敷地なら、200㎡を超えた100㎡分が3分の1の扱いになります。

京都市の基準では、家に付いた庭(菜園を含む)と、住む人の駐車場は住宅の敷地に入ります。一方で、住む人以外が使う駐車場や資材置場は、住宅の敷地に入りません。

庭の一部を人に貸すと、その面積はこの軽減を受けられなくなります。

京都市の届け出の記入例には、320㎡のうち156㎡を貸駐車場にした図が載っていました。貸した部分は、図面で示して面積を書くよう案内されています。

出典:長野市「住宅用地に対する課税標準の特例」

出典:京都市「住宅用地の認定基準」

京都市の届け出の記入例を線画にした図。320㎡の敷地のうち、住宅の敷地140㎡、通路24㎡、貸駐車場156㎡(10台のうち1台が自家用)。貸した部分は面積を図に書いて届ける
京都市の届け出の記入例では320㎡のうち156㎡を貸駐車場にした部分を図に示して面積を書く

土地活用の解説にも、青空駐車場の土地の税は更地としての高い設定になる、とありました。貸す部分の面積は、固定資産税の軽減から外れる前提で収支を考えます。

税がいくら上がるかは、市区町村の固定資産税の窓口で、貸す面積を伝えて聞けます。

庭の一部を貸すときは、軽減が外れるぶんを、収入から先に引いて考えておきたいところです。

庭に建物を建てて貸すとき、敷地と道で何を確かめるのか

東京都のページによると、建築基準法では「一敷地一建築物が原則」です。親の家の庭に、貸すための家を別に建てるなら、敷地を分けて考えることになります。

分けなくて済む場合があるかは、役所の建築の窓口で聞けます。

出典:東京都都市整備局「一団地建築物設計・連担建築物設計の認定」

土地を複数に分ける登記を「分筆」といいます。法務省は、分筆をするのは土地の一部を別の用途で使うときなどが多いと案内しています。

分筆の登記には、測量と、隣の土地との境界の確認が要ります。法務省の案内では、その専門家である土地家屋調査士に頼むのが一般的とされています。

建てるときにもうひとつ見るのが、道との接し方です。

注意

都市部で指定されている都市計画区域では、建物の敷地は幅4m以上の道路に2m以上接する決まりがあります。都市計画区域では、道に2m以上接していない部分に、原則として建物は建てられません。

上から見た実家の敷地の図。家の横の庭を点線で分け、分けた庭が道に2m以上接するか、隣との境界が分かっているかの2つを示す
都市計画区域で庭を分けて建てるなら分けた庭が道に2m以上接するかと隣との境界を先に見る

都市計画区域で庭を分けて建てるなら、分けたあとの土地も道に2m以上接する必要があります。旗ざおの形の敷地や、形の整っていない敷地では、とくに気をつけたいところです。

前の道が建築基準法の道路かどうかは、役所の建築指導の部署で調べられます。

都市計画区域の実家なら、庭に建てて貸せるかは、建てる費用より先に、分けた庭が道に2m以上接するかで決まります。

分けられるか、道に接するかは、役所で分かります。その土地で何ができるかの活用のプランを、何社かにまとめて無料で頼める窓口が、タウンライフ土地活用です。

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貸すか建てるかは、何で決めればいいのか

庭を人に使ってもらう形は、建物を誰が建てるかで3つに分かれます。どれを選ぶかの分かれ目は、何年のあいだ人に使ってもらってよいかです。

広い庭の一部が砂利の駐車場2台ぶんと小さな畑になった絵
広い庭の一部を駐車場と畑に使う絵

1つめは、建物を建てない使い方で貸す形です。住宅会社の解説では、資材置き場や畑のように建物の要らない使い方なら、契約の年数を自由に決められます。

2つめは、土地だけを貸して、相手が建物を建てる形です。建物を建てる目的で土地を貸すと、相手に借地権(土地を借りて建物を持つ権利)が付きます。

同じ解説では、契約の年数は、更新のある借地権で30年以上、更新のない定期借地権で50年以上です。

3つめは、自分で建物を建てて貸す形です。建てる費用は自分で持ち、やめて庭に戻すなら建物を壊す工事が要ります。

庭を人に使ってもらう3つの形を同じ庭の線画で並べた図。建物を建てない使い方で貸す(年数は自由)、土地だけ貸して相手が建てる(借地権が付き30年以上、定期借地は50年以上)、自分で建てて貸す(費用は自分で、戻すなら壊す工事が要る)
建物を誰が建てるかで庭を人に使ってもらう形は3つに分かれ土地だけ貸して相手が建てると借地権が付く

土地活用の比較の記事には、駐車場は撤退や転用がしやすいとありました。初期費用の少ない活用なら、売るときも土地を手放しやすいそうです。

何年、人に使ってもらってよいかで、3つのうちどれから考えるかが決まります。

何十年も先まで決まる話を、父に決めてもらうのは重いことだと思います。だから私だったら、家族が戻るかもしれない間は、建てずに戻せる貸し方から考えると思います。

庭木や庭石を先に片付けるときの費用は、実家の庭の片付けの記事で見られます。

家族が戻る見込みが残るなら1つめの形から考え、30年以上人に使ってもらってよい面積なら、2つめや3つめも比べる候補に入ります。

実家の庭に合う活用は、どこで比べられるのか

頼む会社が決まっている方や、庭のままで手入れが回っている方は、プランを取り寄せるのは急がなくてよいと思います。

縁側に立って木と芝の広い庭を見わたす人の後ろ姿の絵
実家の広い庭を縁側から見わたす人の後ろ姿の絵

庭の土地を借りている方は、このあと紹介するサービスの対象に入りません。

売る方向で考えている方には、庭を片付けてから売るかどうかを比べた記事があります。

表のどれが合うかは、その土地で借りたい人がいるかどうかで変わります。解説には、需要の調査を頼むのも一つの方法だとありました。

タウンライフ土地活用では、「収支シミュレーション」「土地の需要調査書」「工法別の活用事例」の3つのプランが無料で届きます。

登録の会社は、私が見たとき110社以上で、空き家や空き地を持つ人も対象です。考え始めた段階の人も相談してよいと、公式の案内にあります。

公式の案内では、合わないと感じた会社は断ってよく、言いにくいときは代わりに伝えてもらえます。

親の名義の土地でも、相続で持つ予定の人は対象に入ると案内にあります。

タウンライフ土地活用に一度頼めば、何社かの土地活用の会社から、収支シミュレーションなどの3つのプランを無料で受け取って比べられます。

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会社は複数選んだ状態で進めてください。届いたプランを、会社ごとに並べて比べられます。

どれが合うかは、その土地の需要と、道との接し方で変わります。何社かの需要の調査と収支の試算を並べると、家族で話し合って決めやすくなります。

庭の何㎡を父の手元に残し、何㎡を人に使ってもらうか。

結論

敷地の図に、父の手元に残す面積と人に使ってもらう面積を書き分けると、貸すか建てるかは思っていたより早く決まります。

よくある質問

Q1.分けた敷地に広さの下限はあるか

A.庭を分けて建てる場合、練馬区のように、地区計画で敷地面積の最低限度を決めている地区があります。練馬区の資料では、最低限度が110㎡の地区の例として、220㎡以上の敷地は分割しても110㎡を確保すれば建築ができ、分けて90㎡になった敷地には建築できないと示されています。私だったら、分ける線を考える前に、実家のある市の都市計画の窓口で、その地区に敷地の広さの決まりがあるかを聞いておくと思います。

出典:練馬区「建築物の敷地面積の最低限度について」

Q2.庭に貸家を建てると税は

A.庭に貸すための家を建てても、鹿児島市の案内では、住宅やアパートなどの敷地として使われている土地は住宅用地として固定資産税が軽くなります。見出し3で書いた、駐車場や空き地として貸す場合と違い、人が住む家の敷地になるからです。ただし同じ案内では、1月1日の時点で住宅が建設されつつある土地は、住宅の敷地とはされないことになっています。私だったら、建てる時期の案が届いた段階で、実家のある市区町村の固定資産税の窓口に、完成の見込みと分ける面積を伝えて、税がどう変わるかを聞くと思います。

出典:鹿児島市「住宅用地の特例について教えてください。」

Q3.土地の値段は調べられるか

A.実家の近くの土地の値段の目安は、国土交通省の「不動産情報ライブラリ」で見られます。地価公示や都道府県地価調査、不動産取引価格情報といった価格の情報のほか、周辺施設や防災、都市計画の情報も重ねて見られるサイトで、スマートフォンからも見られます。私だったら、貸すか売るかを家族で話す前に、実家の近くの地価と取引の価格を一度見ておくと思います。

出典:国土交通省「不動産情報ライブラリとは」