高齢の親の庭が手入れできないとき。離れて住む子が受け持てるのは、作業より段取り

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街のベランダでスマートフォンを手にした人の後ろ姿と、遠くの丘の上の、木と草の茂った家を点線でつないだ絵。点線を「ここを受け持つ」と指している。「高齢の親の庭が手入れできない」「子が受け持てるのは、作業より段取り」「離れていても受け持てること」の文字

高齢の親の庭が手入れしきれなくなってきたら、最初の一歩は、子が帰って代わりに作業する日程を組むことより、庭の手入れを「手を動かすこと」と「頼む段取り」に分けて眺めてみることだと、私は考えています。

そう分けてみると、離れて住んでいても受け持てるところが見えてくると思うんです。

帰省して伸びた草や枝を目にすると、次に帰ったときに自分が刈るしかないのかと考えてしまいますよね。私自身も、実家の庭が気になりつつ、思うようには顔を出せていません。

ただ、庭は親の暮らしの一部でもあると思うんです。手入れの何を手放すかは、子どもの側だけでは決められないと、私は考えています。

手入れを受け持ちに分けるときの分け方と、離れて住む子が人に頼むときの立ち会いや支払い、どのくらい待つのかは、この先でひととおりお伝えします。お宅で手入れのどこを誰が受け持つか、費用がどれほどかは、親御さんの考えと庭を見てもらったときの様子で変わってきます。

この記事で分かること

  1. 庭の手入れを 手を動かす作業 頼む段取り その場の立ち会い 支払い 見守りの5つの受け持ちに分けて並べた
  2. 離れて住む子が受け持ちやすいのは 手を動かす作業より 頼む段取りと見守りのほうだと私は考えている
  3. 立ち会いと支払いは家族の中で分けられると思うが 立ち会いを誰に求めるかは頼む先ごとに違う
  4. 親が楽しみにしている野菜や花の世話は 親の受け持ちのまま残しておいていいと思う

親の庭の手入れは、いま誰が受け持っているのか

厚生労働省の国民生活基礎調査によると、65歳以上の人のうち、子と同居しているのは32.2%でした(2025年)。

出典:厚生労働省「2025(令和7)年 国民生活基礎調査の概況」

うちの実家も、庭の手入れは父が一人で受け持っています。父は庭全体をきちんと管理しなければと思っているようですが、作業のほうが追いついていないように私には見えます。

注意

介護保険のヘルパーさんに来てもらっている家でも、草むしりや花木の水やり、植木の剪定(伸びた枝を切って形を整えること)は介護保険の生活援助(家事の手伝い)には含まれないとされています。

国の通知にそう書かれていて、町や市の資料でも草むしりは同じ扱いになっていました。

範囲の外の手伝いについては、市町村の生活支援やNPO、ボランティア、自費の保険外サービスを使うことも、通知に示されています。

出典:厚生省「指定訪問介護事業所の事業運営の取扱等について」(国立社会保障・人口問題研究所の資料集)

2枚の札を並べた図。介護保険の生活援助に含まれないとされているものは、草むしり、花木の水やり、植木の剪定。範囲の外は、市町村の生活支援、NPOやボランティア、自費のサービス。国の通知と、町・市の資料から
草むしりや花木の水やりと植木の剪定は介護保険の生活援助に含まれないとされている

なので、家族の誰かが受け持ちを決めないうちは、庭の手入れは親がひとりで抱えたままになりやすいと思います。

市が高齢の方の世帯に向けて草取りなどを手伝う仕組みは、補助金の記事で取り上げています。

子が帰省して手伝うだけでは、なぜ追いつかないのか

庭の手入れの会社3社の解説では、草刈りは年に3回ほどが目安で、時期として6〜7月と9〜10月と11〜12月を挙げる会社もありました。

帰省した子が草を抜く後ろ姿と奥にまだ伸びた草が残る庭の絵
帰省して草を抜いても奥にまだ草が残る庭の絵

うちの場合も、父の庭を何とかするなら、私自身も行って作業をしなければいけないと思っています。

ただ、帰省の合間にも草や枝は伸びていくので、年に数回の帰省で子が作業を受け持っても、追いつきにくいと思います。

でも子が帰って手伝うこと自体は、悪いことではないと思うんです。一緒に庭に出れば、親と庭のこれからを話すきっかけにもなると思います。

ただ「作業をする人」の役を離れて住む子が引き受ける形は、続けにくいと私は考えています。親の側で、どの作業から手を離していくかの順番は、庭じまいを何歳から考えるかの記事でまとめました。

庭の手入れは、どんな受け持ちに分けられるのか

庭の手入れを、中身ごとに5つの受け持ちに分けて並べてみます。右の列は、庭の手入れの会社やシルバー人材センター、国民生活センターなどの案内と、私の見立てを合わせたものです。

受け持ち中身離れて住む子が受け持てるか
手を動かす作業草むしり、剪定、切った枝の始末持ちにくい。人に頼むか、手入れの量を減らす
頼む段取り頼み先を探す、申し込む、日程を合わせる、連絡を受ける持てる
その場の立ち会い作業の始めと終わりの確認写真で知らせる会社もある。親が住んでいる家なら、親でよい場合も(誰に求めるかは頼む先ごとに違う)
支払い作業のあとに届く請求書で払う後日の振込などで払える会社やセンターがある。誰が払うかは家族で決める
見守り様子を気にかける、見慣れない工事の跡に気づく、相談する持てる

こう並べると、離れて住む子が受け持ちやすいのは手を動かす作業より、頼む段取りと見守りのほうだと私は考えています。手を動かすところは人に頼むか、手入れの量そのものを減らすかで考える、という分け方です。

その場の立ち会いと支払いは、家族の中で分けられると思います。親が住んでいる家なら、立ち会うのは親でよい場合もあると思いますが、立ち会いを誰に求めるかは頼む先ごとに違います。

それに親が楽しみにしている手入れ、たとえば野菜や花の世話は、手を動かす作業から外して親の受け持ちのまま残しておいていいと思うんです。

庭の手入れの受け持ちを、親、離れて住む子、頼む先の3列に振り分けた図。楽しんでいる手入れ(野菜や花の世話)は親、頼む段取り(探す・申し込む・日程・連絡を受ける)と見守り(気にかける・気づく・相談する)は離れて住む子、手を動かす作業(草むしり・剪定・枝の始末)は頼む先。その場の立ち会いと支払いは、親と離れて住む子にまたがって家族で分ける。立ち会いは、親が住んでいる家なら親でよい場合もあり、誰に求めるかは頼む先ごとに違う。図の上に「離れて住む子が受け持ちやすいのは、作業より段取りと見守り、と私は考えています」、下に「立ち会いと支払いは、家族で分けられると思います」の文字
離れて住む子が受け持ちやすいのは頼む段取りと見守りで立ち会いと支払いは家族で分けられると思う

離れて住む子が段取りを受け持つと、どう進むのか

立ち会いと支払いの実際

庭の手入れや工事を引き受ける会社と職人さんの案内を7件読むと、作業の日に家にいなくても引き受けるところがありました。そうした場合も、作業の前と後に確かめてもらったり、写真で様子を知らせたりする形が多いようです。

いっぽう市川市のシルバー人材センターは、下見と見積もりのときと作業の当日に立ち会いをお願いしています。親が住んでいる家なら、その場にいるのは親でよい場合もあると思いますが、誰に立ち会いを求めるかは頼む先によって違います。

支払いも、作業のあとに届く請求書で振り込む形をとる会社やシルバー人材センターがありました。その場で現金を用意しなくても払える形があるわけです。

季節によって待つ期間

また、シルバー人材センターには、季節によって申し込みが重なるところがあります。小山市のセンターは、例年6月の時点で8月まで、10月の時点で12月まで予定が埋まるとしています。杉並区のセンターは、植木の剪定の申し込みを作業する月の3か月前としていました。

市川市のセンターの草取りの案内にも、待ち時間1〜3か月と出ています。

離れて住む子が頼むときの流れを、頼み先を探す・申し込む、見積もり(現地を見てもらう)、作業の日(始めと終わりの確認。写真で知らせる会社も、立ち会いを求めるシルバー人材センターも)、後日の請求書・振込と左から右へ並べた図。季節によっては数か月待つこともある。庭の手入れや工事を受ける会社・職人さんの案内と、シルバー人材センターの案内から
頼み先を探して申し込み見積もりと作業の日を経て後日に請求書で払う流れで数か月待つこともある

何を頼むかは、親と話しながら決めていくことになると、私は考えています。庭のどの場所の話から親に切り出すかは、実家の庭がジャングルのようになったときの記事で書いています。

見守りと、家族が相談できる先

国民生活センターは、高齢の方の見守りで気づきたい点のひとつに、屋根や外壁などに不審な工事の跡がないかを挙げています。困ったときは、家族などまわりの人からでも消費生活センターに相談できるとしています。

親の住む地域の地域包括支援センターも高齢者本人だけでなく、その家族からの相談を受ける窓口だと、北海道や小平市、大阪市の案内にあります。

出典:小平市「地域包括支援センター(高齢者あんしん相談窓口)」

こう書いている私も、もっとまめに実家へ行って手伝ってあげなきゃいけないなと思ってはいるんです。それでも、自分の忙しさや子どもが大きくなったことが重なって、頻繁に顔を出すのは難しくなってきました。

段取りを子が受け持つなら、頼む前に、家族で決めておきたいことがいくつかあります。

親の代わりに頼むとき、先に家族で決めておくことは何か

まずは何を頼むかです。どの木の手入れや、庭のどの場所の作業をお願いするのかは、親と話して決めていくものだと思います。

和室の机を囲んで開いた戸から庭を見る家族の後ろ姿の絵
家族で庭を見ながら話し合う後ろ姿の絵

次に、立ち会うのは誰かです。親が住んでいる家ならその場にいるのは親でよい場合もありますが、立ち会いを誰に求めるかは、頼む先ごとに違っています。

支払うのは誰か、も先に話しておきたいところです。請求書で後から振り込む形なら離れていても払えますが、親と子のどちらが払うのかは、家族で決めておくことだと思います。

それから、連絡を受けるのは誰かです。申し込みや日程の連絡、作業の報告を受ける人を家族の中で一人に決めておくと、頼む先とのやりとりが散らばらずにすむと思います。

荒れた庭を業者さんに頼むといくらかかるかの目安は、実家の庭の片付けの記事の表に載せています。

受け持ちが見えてきたら、次に迷うのは、毎年頼み続けるのか、手入れの量そのものを減らすのか、です。

人に頼み続けるのと、手入れの量を減らすのとでは、何が違うのか

毎年人に頼む形を続けると、庭木5〜15本ほどの庭で年に3万円台から15万円ほどかかる例が出ています(植木屋や造園の会社の2件を確認。含む作業は会社で違います)。

半分を砂利にして低木を残した庭で遠くに植木屋さんがいる絵
砂利で手入れを減らした庭と遠くの植木屋さんの絵

そのうえ、申し込みや日程、立ち会い、支払いの段取りも毎年めぐってきます。量を減らす形なら、一度の工事の費用がかかるかわりに、段取りは減っていくと思います。

どちらか一方でなく、場所ごとに分けてもいいと思います。頼むにしても自分でやるにしても、手間とお金はかかると私は思っています。

毎年の費用や草の出る場所の減らし方、木を小さくする方法、手入れのいらない庭の形は、それぞれの記事にあります。

となると残るのは、自分の親の庭のどこを人に任せて、どこを減らすのか、です。

自分の親の庭は、どこを人に任せて、どこを減らせばいいのか

どの木が脚立の要る高さまで育っているのか、草はどこに出やすいのか、トラックは庭のそばまで入れるのか、親はどこを残したいのか。任せる場所と減らす場所の分け方もその金額も、庭を見てもらってからでないと決まりません。

縁側のそばの鉢植えにじょうろで水をやる年配の人の後ろ姿の絵
縁側の鉢植えに水をやる人の後ろ姿の絵

頼む先はひとつとはかぎらない

それに頼む先は、ひとつに絞れるとはかぎりません。毎年の剪定や草刈り、木を低くする手入れなら、植木屋さんやシルバー人材センター、草刈りの業者さんに頼みます。草の出る地面を変えたり、生垣の代わりにフェンスを立てたりと、地面や外まわりの形を変えるなら、外構(家の外まわりの工事)の会社に頼みます。

どこに何を頼めるのかを頼み先の種類ごとに並べた表は、業者選びのページにあります。

形を変える相談の窓口

地面や外まわりの形を変える相談なら、タウンライフリフォームの外構特集で見積もりと提案を頼めます。申し込みを受けて外構の会社へつなぐ、仲立ちの役のサービスです。

離れて住む子が申し込む場合も、建物の場所には実家の住所を入れて進められます。住所の入力のあとに出てくる「現在、こちらの住所にお住まいですか」という問いには、「いいえ」と答える選択肢も用意されているんです。

その手前で聞かれるのは戸建てか、築何年か、工事の場所や予算といった問いで、答えは画面に並んだものから選びます。古い家なら「築20年以上」を、場所なら「庭」を押せばよく、文章で希望を書く場面はありません。

親と金額の話をする前でも、予算を尋ねる問いは「ちなみに、今のところご予算は」という遠慮がちな言い方なので、おおよその額で答えて困ることはありません。会社の候補はサービスの側が選んで出してくれます。自分の名前は、候補の会社が分かってから入れれば大丈夫です。

最後まで進むと、タウンライフリフォームの外構特集を通して、実家の庭の見積もりと提案を、何社かの外構の会社に無料で頼めます。

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申し込む前に、よく出る心配

お金は?
公式の案内では、利用は無料で、契約のあとに利用料が上乗せされることもありません。
断れる?
公式の案内では、希望に合う会社が見つからなければ契約は要りません。断りにくいときは、代わりに会社へ伝えてもらうこともできます。
連絡は?
公式の案内では、申し込みのあと、1週間以内をめどに、メールや電話などで連絡が来ます。
無料で、実家の庭の見積もりと提案を何社かに頼む

会社は複数選んだ状態で進めてください。案と見積もりが何社分か手もとにあると、親と次に話すときに、それぞれを横に並べて見比べられます。

この申し込みより早い頼み先

毎年の剪定や草刈りをお願いする先だけを探しているなら、この申し込みより、植木屋さんやシルバー人材センター、草刈りの業者さんに直接連絡するほうが早く決まります。すでに頼む会社が決まっている方はその会社へ、切りたい木が1、2本だけなら近くの植木屋さんへ直接お願いするほうが、話が早く進みます。

ただ、紹介先の会社が見当たらない地域に、親の家が入っていることもあります。

結論

親の庭が手入れできなくなってきたとき、子が受け持つのは草を抜く作業より、頼む段取りと見守りのほうだと私は考えています。

まずは次に親と話すときに、庭の手入れのどこを親が続けたいのか、どこを人に任せたいのかを、一緒に分けてみてください。

よくある質問

Q1.枝が道路に出ていたら

A.親の家の木の枝や生垣が道路に出ていても、私有地の木や生垣、草は持ち主のものなので、市が勝手に切ることはできないと船橋市は案内しています。同じページでは、車道は高さ4.5m、歩道は2.5mまでの範囲に、通行の障害になる物を置いてはならないと決められていると書いています。私だったら、帰省したときに道路の側から生垣と枝を見て、はみ出している所を頼む作業に入れてもらうと思います。

出典:船橋市「道路上に張り出している樹木の枝の剪定について」

Q2.ツバキに毛虫が出たら

A.親の庭にツバキやサザンカがあるなら、目黒区は、毒のある毛虫のチャドクガが5月から6月頃と8月から9月頃の年2回出ると案内しています。同じページでは、保健所は個人の敷地の中の駆除はしておらず、自分で駆除できない人には駆除業者を紹介していると書いています。目黒区は木を高くしないことも勧めているので、その木の剪定を頼むときに、低めに整えてもらうよう伝えるという手もあります。

出典:目黒区「チャドクガにご注意」

Q3.片付けの工事は何日かかるか

A.親の庭の木や草を全部なくして平らにする工事なら、施工会社が公開している例のうち工期の書かれていた5件は、1日から6日のあいだに終わっていました。シートの上に砂利までのせた4件でも、1日から5日のあいだです。私だったら、見積もりのときに日数を聞いてから、その日に立ち会う人を家族で決めると思います。