庭じまいは何歳からか。庭の終活を、年齢ではなく作業の順番で考える
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庭じまいを何歳から考えればいいのか迷ったら、年齢を数えるより先に、いまの庭仕事でいちばん体に重い作業をひとつ思い浮かべるところから始めてみてください。
ご自分の庭のことで調べた方は、まだ早いのか、それとももう考える年なのかが気になっているのだと思います。
親の庭のことで調べた方なら、親はもうその年なのか、それを子どもの側から口にしていいのかで迷っているのかもしれません。
ただ、私が調べた範囲では、庭じまいを始める年齢の目安を示した公的な資料は見当たりませんでした。同じ年齢でも、木がどこまで育っているかやどんな作業が残っているかで、庭仕事の重さは家ごとに違ってくると私は考えています。
この記事でお伝えするのは、「何歳から」を「どの作業から」に置き換えて考える見方と、手を離していく順番の見当です。お宅の庭でいつどの作業まで人に任せるか、費用がいくらかは、ご本人がどうしたいかと、庭を見てもらった中身で変わってきます。
この記事で分かること
- 庭じまいを始める年齢の目安を示した公的な資料は 私が調べた範囲では見当たらなかった
- 年齢を数えるより 作業が年ごとに重くなっていく様子を見るほうが 手を離す時期を決めやすいと私は思っている
- どの資料も求めているのは脚立の使い方や暑い日の過ごし方といった作業のしかたで 庭の手入れそのものをやめるようには書かれていない
- 木を根元から切る工事は冬を勧める解説が多いが 決めることまでその季節に合わせて急がなくていいと私は思う
庭じまいを始める年齢は、決まっているのか
厚生労働省や内閣府、国民生活センターや消費者庁などのページを「庭じまい」「庭の手入れ 年齢」といった言葉で探してみましたが、何歳になったら手入れを人に頼む、という目安を示した資料は見つかりませんでした。
年ごとに姿を変える庭の側
いっぽうで、庭のほうは年ごとに姿を変えていきます。
植木屋や造園の会社4件の料金表や解説を見ると、木1本の剪定(伸びた枝を切って形を整えること)の値段は高さで区切られていて、木が伸びて区切りを越えるたびに、ひとつ上の値段になる仕組みでした。
しかも3mを超えたあたりからは脚立やはしごが要る高さになると、植木屋の会社の解説にあります。

父の手入れを見ていて
実家の庭は父が一人で手入れを続けていて、それを見ていると、これはいつまでやるのかなと正直思ってしまうんです。手入れに終わりが見えないんですよね。
私から見て、父がいちばんきつそうにしているのは雑草の処理で、その次が大きくなっていく木の剪定だと思います。梅雨のころなどは草も枝も容赦なく伸び続けるので、その対応は本当に厳しそうでした。
なので私は、年齢を数えるより、こうして作業が年ごとに重くなっていく様子を見るほうが、手を離す時期を決めやすいと思っています。
年齢の代わりに、何を見て決めればいいのか
国民生活センターの脚立とはしごの資料(2019年)を読むと、落ちた事故は屋外が中心で、とくに庭木の手入れをしている最中のものが目立つと書かれています。

消費者庁の2014年の資料でも、事故が起きたときの作業は、庭木の剪定がいちばん多くなっていました。
注意
国民生活センターが勧めているのは、まず脚立やはしごを使わない方法を考えることと、剪定なら造園業者などの専門家に頼むのを考えること、そして一人きりで作業しないことです。
消費者庁の資料も、高い所での作業は避けることを挙げています。
出典:国民生活センター「思わぬ大けがに!高齢者の脚立・はしごからの転落」
真夏の草取りと、暑さの案内
暑さについては、環境省が熱中症の案内で、暑い日は無理をしないよう呼びかけています。環境省のサイトに載っている日常生活の指針でも、暑さが厳しい日ほど、外では炎天下を避けることや、激しい作業をするときは休息を定期的に取り入れることが挙げられています。
出典:環境省 熱中症予防情報サイト「暑さ指数とは?」
| 体に重い作業 | 公的な資料が挙げていること | 手を離す先 |
|---|---|---|
| 真夏の草取り | 暑い日は無理をしない。暑さの厳しい日は炎天下を避け、激しい作業では休息を取り入れる(環境省) | 草刈りの業者さんやシルバー人材センターに頼む。防草シート(地面にかぶせて草を抑えるシート)などで、草の出にくい地面にする |
| 脚立が要る高い木の剪定 | 脚立やはしごを使わない方法を考える。剪定は専門家に頼むことを考える。一人きりで作業しない(国民生活センター)。高い所の作業は避ける(消費者庁) | 高い枝を下ろす、根元から切る。植木屋さんに頼む(シルバー人材センターが引き受ける木の高さは、センターごとに3〜4mほどまでの目安がある) |
並べてみると、どの資料も求めているのは脚立の使い方や暑い日の過ごし方といった作業のしかたで、庭の手入れそのものをやめるようには書かれていません。
草むしりは体を動かす活動でもある
いっぽうで厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」には、庭の草むしりや植物への水やりが、暮らしの中で体を動かす活動の例として載っています。
兵庫県も、植物を育てることが楽しみや喜び、役割につながると説明しています。

高い木の扱いで迷ったときは、低く保って残す木と切る木の分け方を、木を小さくする記事で整理しています。
関連記事大きくなりすぎた庭木を小さくする方法と費用。低く保って残すか、切るかは木ごとに決める
頼みづらさと、周りの声かけ
国民生活センターの資料には、人に頼みづらいと考える方もいるので、周りの人も普段から声をかけて身近な事故を防いでほしい、とも書かれています。
頼みづらさを抱えたまま一人で手入れを続けている方には、誰かに庭を見てもらうまでの順番を書いたこちらの記事も役に立つと思います。
関連記事庭の手入れが大変になってきたら。がんばるか、やめるかを決める前に、一人で抱えるのをやめる
となると次は、その声かけを親と子のどちらから始めるのか、という話になってきます。
「庭の終活」は、親と子のどちらから切り出すのか
庭じまいは、庭の手入れを減らして管理しやすい形に整えることだと説明されていて、「庭の終活」とも呼ばれます。

父に終活の話をしたとき
私は父に会うたびに、「終活を見込んで、いろんなものを処分し始めたら」と言っています。
そう言ったときの父の返事は「そうだよな」で、分かっている、という反応でした。父自身も、庭をどうにかしなければと感じているように、私には見えています。
ただうちの父の場合、庭の話は改まった相談の形では出てこず、いつもの口調でこぼすような形で出てきます。
本人の側から切り出してもいい
私は、庭じまいの話は、庭を持つご本人の側から切り出してもいいと思っています。これから先の庭の形を、ご自分の好みで決められる機会でもあるからです。
それに親と子のどちらから話すにしても、年齢の話から入るより、さきほどの表のように「どの作業を手放すか」の話にしたほうが話しやすいと思います。
手を離すのは重い作業のほうで、楽しめる手入れまで一緒に手放すわけではないんです。
帰省した日に庭のどこを見て、親とどう話を進めるかは、実家の庭がジャングルになったときの記事にまとめました。
関連記事実家の庭がジャングルになっていたら。帰省した日に見る場所と、親との話し方
話がまとまってきたら、次に気になるのは、工事をいつにするかですよね。
庭じまいの工事は、冬にするのがいいのか
落葉樹(冬に葉を落とす木)の剪定は、葉が落ちた冬の12〜2月ごろが目安だと、庭の手入れの会社などの解説4件に書かれていました。
木を根元から切る工事についても、植木屋や伐採の会社などの解説4件を見ると、葉が落ちて木の成長が止まる冬を勧めるものが多くありました。
落葉樹なら、葉が落ちたあとのほうが、出る枝や葉のごみが少なくて済むそうです。ただし雪や凍結のある地域では、冬のさなかを避けるよう書いている解説もありました。
春から夏は、草木が伸びる季節
反対に、草や木がいちばん伸びやすいのは春から夏にかけてだと、造園の会社の解説にあります。
うちの実家を見ていても、梅雨のあとから秋の終わりまでは伸びる草木に追われ、冬は冬で落ち葉の処理があって、手を休められる季節はほとんど無いように思います。

決めることまで急がなくていい
ただ、工事に向く季節があるからといって、決めることまでその季節に合わせて急がなくていいと私は思います。どこまで手を離すかを考えるのには何か月かけてもよくて、工事は決まってから一度で頼めばいいんです。
外構(家の外まわりの工事)の会社も、作業の日が分かれると来てもらうたびに出張の費用がかかり、一日にまとめれば基本の費用が一回分で済むと書いています。
季節の見当がついても、どれだけ手を離すかで費用は変わってきますよね。
庭じまいの費用は、どのくらいを見ておけばいいのか
庭じまいの費用は、庭に何がどれだけあるかを現地で見てもらって決まるものなので、ここでは目安を1つだけ挙げておきます。

たとえば脚立やはしごが要る高さの3〜5mの木なら、根元から切ってもらう料金は1本につき8,000円から25,000円ほどでした(植木屋や造園の会社3件を確認)。
庭全体で費用がどう積み上がるかは費用の記事で、毎年の手入れを頼んだ場合の額は植木屋の年間費用の記事で書いています。
関連記事庭じまいの費用の目安と内訳。全部なくすか一部を残すかで、金額の組み立てが変わる
関連記事庭の年間管理費用と植木屋の相場。年間契約の前に、毎年手放したい作業を決める
自分の庭は、どの作業から手を離せばいいのか
自分の庭でどの作業から手を離すかは、表を眺めるだけでは決まりません。脚立の要る木が何本あるか、草が出るのはどこか、トラックを庭の横に着けられるかを現地で見てもらい、金額が出てはじめて分かるものなんです。

しかも頼み先は作業ごとに分かれていて、高い木は植木屋さん、草は草刈りの業者さん、片付けたあとの地面は外構の会社という具合に相手が変わります。
業者の種類とそれぞれに頼めることは業者の選び方の記事に、見積もりの頼み方と届いたあとの読み方は一括見積もりの記事にまとめました。
関連記事庭じまいの業者の選び方。植木屋・造園・外構の違いと、最初にどこへ相談するか
関連記事外構の一括見積もりのデメリットと、届いた相見積もりの比べ方
自分で探すのが不安なときは、中野区や船橋市のように、市区町村の窓口が造園の団体やシルバー人材センターを案内している例もあります。
出典:中野区「庭木が茂ってきたので手入れをしたい」

外構特集の申し込みの流れ
このうち外構の会社への相談は、タウンライフリフォームの外構特集から頼めます。外構の会社への依頼を仲立ちするサービスで、相談先の会社の候補はサービスの側で選んでくれ、見積もりと提案は無料です。
申し込みの画面では戸建てかどうか、建ててからの年数、工事の場所の順に、用意された答えから選んで進みます。工事の場所なら「庭」、年数なら「築20年以上」という答えが用意されていて、希望を文章でつづる欄は設けられていません。
予算については「ちなみに、今のところご予算は」と尋ねられるので、決まった額でなくても、頭にある見当で答えて大丈夫です。
その次に建物の住所を入れる欄があり、そこから「現在、こちらの住所にお住まいですか」という問いにつながります。ご自分の家の庭のことなら「はい」、離れて住む子どもが実家の庭のことで申し込むなら「いいえ」を選びます。どちらを選んでも先へ進めます。
会社の候補が並んだあとで、ようやく名前を入れる画面になります。
タウンライフリフォームの外構特集を通すと、並んだ候補のうち何社かの外構の会社へ、庭の見積もりと提案を一度に無料でお願いできます。
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申し込む前に、よく出る心配
- お金は?
- 公式の案内では、利用は無料で、契約のあとに利用料が上乗せされることもありません。
- 断れる?
- 公式の案内では、希望に合う会社が見つからなければ契約は要りません。断りにくいときは、代わりに会社へ伝えてもらうこともできます。
- 連絡は?
- 公式の案内では、申し込みのあと、1週間以内をめどに、メールや電話などで連絡が来ます。
会社は複数選んだ状態で進めてください。そうしておくと、何社かの案と見積もりを見比べられます。
この申し込みが回り道になる方
逆に、頼む会社がもう決まっている方には、この申し込みは手間が増えるだけになります。木を1、2本切れば足りる方や草刈りだけをお願いしたい方も、近くの植木屋さんや草刈りの業者さんへじかに頼んだほうが話が早く進みます。
紹介できる会社のいない地域があることも、先に知っておいていただけたらと思います。
結論
庭じまいは、ある年齢で庭を手放すかどうかを一度に決めるものではなく、体に重い作業から順に手を離していくものだと私は考えています。
何でもいいから小さな一歩を踏み出さないことには始まらないと私は思っていて、その一歩は、いちばん重い作業をひとつ挙げてみることで十分なんです。
よくある質問
Q1.暑い日の庭仕事の目安は
A.本文の表で真夏の草取りに挙げた環境省のサイトの指針では、暑さ指数が28以上を「厳重警戒」、31以上を「危険」としています。同じサイトでは、あすの表示が14時と17時に新しくなり、熱中症警戒アラートの発表をメールで知らせる仕組みもあります。私だったら、前の日の夕方にサイトであすの表示を見て、アラートが出ている日の草取りはほかの日に回すと思います。
出典:環境省 熱中症予防情報サイト「熱中症警戒アラート」
Q2.土いじりを続ける場所はあるか
A.手を離すのは重い作業のほうなので、庭の草取りをやめても、野菜や花を育てる楽しみまで手放さなくて済みます。農林水産省の案内では、市民農園は生きがいづくりなどのために小さな面積の農地で野菜や花を育てる農園で、市町村や農協などが開いています。岐阜市のように、高齢の方が作物を育てる農園の事業を設けている市もあります。
出典:農林水産省「都市農業の振興・市民農園について」
Q3.庭のことを書き残す方法は
A.国土交通省は、住まいの情報や将来どうしてほしいかを書いて残せる「住まいのエンディングノート」を出していて、元気なうちから住まいの将来を家族で話し合うきっかけに、と案内しています。庭や庭木を書く欄は、私が見たときには見当たりませんでした。家のことを書くついでに、残したい木と人に任せたい作業を一行ずつ書き添えるという手もあります。
出典:国土交通省「住まいのエンディングノートについて」