庭じまいのビフォーアフターを施工例45件で見る。全部なくした庭、木を残した庭、作り替えの形と費用の幅

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庭じまいのビフォーアフターを、上から見た配置図で並べた絵。左の「いま」は同じ家の庭いっぱいに丸い木と草が広がり、右の「あと」は木を1本だけ残して、まわりを砂利と人工芝にしている。「施工例45件を、形で見る」の文字

施工会社が公開している庭じまいの施工例を45件読んで形で分けると、全部なくして平らにした庭のほかに、木を何本か残した庭、花壇や芝生を小さく残した庭、車の置き場にした庭など6つほどに分かれました。

しかも読んだ45件のうち22件は、木や花壇、庭石など、庭の何かを残していたんです。

ただ、同じ形でも費用は庭ごとにまるで違います。全部なくした例だけを見ても、11万円ほどのものから150万円ほどのものまで開きがありました。

先にお伝えしておくと、この記事には工事の写真が1枚もありません。私は庭の工事を頼んだことがなく、お見せできる自分の施工例が無いからです。

写真は施工会社のページにたくさん載っているので、そちらでご覧ください。ただ、読んだ45件のうち庭の広さまで書かれていたのは1件だけで、写真だけでは広さも費用も、何を残したのかもつかみにくいと私は感じました。

形の見本と、施工会社のページで写真を見るときにどこを確かめればいいかは、この記事で持ち帰っていただけます。お宅の庭をどの形にして費用がいくらになるかは、そのあと業者さんの見積もりで具体的になります。

この記事で分かること

  1. 施工会社が公開している施工例45件を形で分けると 全部なくした庭のほかに 木を残した庭や花壇を小さく残した庭 車の置き場にした庭など6つほどに分かれた
  2. 読んだ45件のうち22件は 木や花壇 庭石など庭の何かを残していた
  3. 全部なくした例だけを見ても 費用は11万円ほどから150万円ほどまで開きがあった
  4. 施工例の写真を見るときは 何をなくし何を残し地面を何にしたかと 広さ 費用に何が入っているか 工期を確かめたい

庭じまいのビフォーアフターは、どんな形に分かれるのか

外構(家の外まわりの工事)や造園、解体などの施工会社10社が公開している施工例を「何をなくし、何を残し、地面を何にしたか」で分けてみました(読んだのは45件)。

形中身件数
1全部なくして、土のまま平らにするか、草よけのシート(防草シート)を敷く8件
2全部なくして、シートの上に砂利をのせる7件
3木を何本か残して(植え直した例を含む)、まわりの地面を変える12件
4花壇・畑・芝生を小さく残して、まわりを固める5件
5車や自転車の置き場にする5件
6通り道や囲い、くつろぐ場所など、一部だけを作り直す8件

いちばん多かったのは3の形で、12件ありました。木や草をほぼなくした1と2は、足しても15件です。

そして、庭のものを何か残していた例は22件で、読んだ45件のほぼ半分でした。地域も広さもばらばらな例を集めたものなので、世の中の庭じまい全体の割合を表すものではありません。それでも読んだ範囲では、何かを残した例とそうでない例がほぼ同じ数で並んでいたわけです。

庭じまいの施工例45件を、ビフォーアフターの「あと」の形で6つに分けた配置図。全部なくして土・シート8件、全部なくして砂利7件、木を残して地面を変える12件、花壇・畑・芝生を小さく残す5件、車や自転車の置き場に5件、一部だけ作り直す8件で、何かを残した例は45件中22件
外構や造園の施工会社など10社の施工例45件を形で分けると何かを残した例は22件あった

全部なくした庭は、そのあと地面をどうしているのか

全部なくした形は、地面の仕上げ方でさらに分かれます。木の根や庭石まで取りのぞいて土のまま平らにならした例、草よけのシートだけを敷いた例、シートの上に砂利までのせた例です。

平らにならした地面と砂利の場所がある家の庭の絵
全部なくして平らにならした庭の絵

費用が書かれていた例

費用が書かれていた例を並べると、土のままかシートだけの形が11万円ほどから150万円ほど(6件)、砂利までのせた形が約9万円から72万円ほど(5件)でした。かかった日数は、前者が1〜6日、後者が1〜5日です。

税込みの例と税抜きの例、税の書いていない例がまじっているので、細かい差より幅の大きさを見ていただければと思います。

同じ形で10倍以上開く理由

同じ形なのに費用が10倍以上も開く理由として施工会社の説明に挙がっているのは、木の高さや本数、運び出すものの量です。植木屋や造園の会社の料金の説明でも、木を切る料金は木の高さによって段階的に上がり、処分の料金は出たごみの量で決まるとされています。

いちばん高かった例も、木を根まで全部抜いたうえに不用品も運び出していました。その例には、金額は木の大きさや本数、不用品の量で変わると書き添えてありました。

目安がほしい方には、造園の会社2社が、庭じまいでいちばん多い価格帯を30万円前後と書いていたことを添えておきます。2社とも、10万円ほどで済むこともあれば、それを大きく超えることもあるという書き方でした。

作業ごとの単価をもとに、庭の広さを仮に決めて費用を足し算した例は、費用の記事にまとめています。

注意

ひとつ気をつけたいのは、土のままの仕上げです。根が土の中に残っていると、刈ったあとからまた草が出てきます。

シートや砂利のほかに、草を抑える方法を比べたい方は、こちらへどうぞ。

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何かを残した庭は、何を残しているのか

残したものとして書かれていたのは、親が大事にしてきた思い出の木、向かいの窓からの目隠しになる木、子どものころから実を食べてきた木、樹齢が百年を超える木などでした。木のほかにも、家族が残したいと言った芝生や、捨てずに組み直した庭石があります。

真ん中に大きな木を残しまわりに砂利を敷いてベンチを置いた庭の絵
大きな木を1本残して砂利を敷いた庭の絵

残し方は、施工例では大きく2通りに分かれていました。残す木の足もとだけを土のままにして、まわりを人工芝や砂利にする形と、芝生や花壇を一か所にまとめて、まわりをコンクリートやレンガなどで固める形です。

残すものの決まり方

残すものの決まり方にも、家族の事情が出ていました。子は全部切りたいけれど親は今のままがいい、という家で、親の思い入れのある木だけを選んで残した例があります。

依頼した人は全部処分するつもりだったのに、思い出になる木は残そうという話になった例や、切り進めてから目隠しが要ると分かって、残す木を決め直した例もありました。

庭じまいの施工例で、何かを残したビフォーアフターを2つ、上から見た配置図で並べた図。上は丸い木が何本もある庭から木を1本だけ残し、足もとは土のまま、まわりを人工芝と砂利にした形。下は草と低木が全面の庭から、芝生を一か所に残して、まわりを舗装で固めた形。残した理由の例は、思い出の木、目隠しになる木、実のなる木
木を何本か残す形と花壇や芝生を一か所に残してまわりを固める形を上から見て並べた

費用と、残したあとの保ち方

ただ、この2つの形で費用まで書かれていたのは1件だけで、費用の幅は出せませんでした。

施工例のなかには、残した場所を、あとはできるだけ家族の力で保っていく、と書かれたものもありました。残した木を人に頼んで手入れしてもらう場合の1年の費用は、こちらで扱っています。

庭を楽しむ人は多く、総務省の平成28年の調査では、65歳以上の趣味でいちばん多いのが「園芸・庭いじり・ガーデニング」でした。手入れを減らしながら、庭のどこを楽しみとして残すかの考え方は、別の記事で扱う予定です。

出典:総務省統計局「統計トピックスNo.103 統計からみた我が国の高齢者(65歳以上)」

庭の一部だけを、まるごと別の使い道に変えた例もあります。

庭を別の使い道に変えた例では、どこに手を入れているのか

いちばん分かりやすいのは、車や自転車の置き場にした形です。家の前の庭を何台か停められる駐車場にした例や、テラスの屋根をかけて自転車とバイクの置き場にした例がありました。

庭が小さな畑と自転車置き場と物置になっている家の絵
庭を畑と自転車置き場と物置に使っている家の絵

費用は135万円から330万円(4件)で、工期が書かれていた2件は10日と30日です。どの例も、車庫の屋根(カーポート)や門まわり、地中の配管の引き直しなどがまとめて入っているので、庭を片付ける費用だけの金額ではありません。税別と書かれた例と、税の書いていない例がまじっています。

もうひとつは、庭の一部だけを作り直す形です。歩きにくい飛び石をなくして車椅子でも通れる道にした例、背の高くなった植え込みを目隠しのフェンスに替えた例、庭をタイルの床やウッドデッキにした例などがありました。

こちらは費用まで書かれた例が少なく、費用の幅は出せませんでした。一部を作り直す費用の目安は、庭のリフォームの記事にまとめています。

駐車場にする場合の費用の内訳と作り方は、別の記事で詳しく扱っています。

施工例の写真を見るとき、どこを確かめればいいのか

読んだ45件のうち、費用が書かれていたのは18件、工期は16件で、庭の広さにいたっては1件だけでした。

写真がきれいでも、こうした数字が添えられていないと、自分の庭に置き換えにくい。私はそう感じました。

確かめたい6つのこと

なので写真を見るときは、次の6つを確かめてみてください。

確かめること見るところ
① 何をなくしたか木、庭石、芝生、塀など、なくしたものの名前と数
② 何を残したか残した木や花壇、組み直した石があるか
③ 地面を何にしたか土のまま、草よけのシート、砂利、人工芝、コンクリートなど
④ 広さ庭が何㎡ほどか(書かれていない例がほとんど)
⑤ 費用に何が入っているか処分や運び出し、車庫の屋根などが含まれるか、税込みか
⑥ 工期何日かかったか

書かれていない項目が気になったら、その会社に問い合わせてみてください。

庭じまいの施工例の写真やビフォーアフターを見るとき、確かめたい6つのチェック欄。何をなくしたか、何を残したか、地面を何にしたか、広さ、費用に何が入っているか、工期。読んだ45件のうち、広さが書かれていたのは1件、費用は18件、工期は16件
施工例の写真を見るときは何をなくし何を残したかと広さや費用の中身と工期を確かめたい

写真で「形」を見せ合う

父が以前、庭のことで私に見せてくれたのも、業者の案内ではなく雑誌に載っていた庭の写真でした。

写真や図で「こういう形」を見せ合うと、家族とも業者さんとも話を進めやすいと思います。

ただ、形の見当がついても、自分の庭をどの形にできて、いくらかかるのかは、まだ分かりません。

自分の庭の「あと」の形は、どこで決まるのか

今回読んだ施工例では、残すのが木なら3の形、芝生や花壇なら4の形というふうに、何を残すかで形が分かれていました。

大きな木と石灯籠のある庭を縁側から見る人の後ろ姿の絵
残すものを考えながら庭を眺める人の後ろ姿の絵

そして金額のほうは、木が何本あってどのくらい高いか、トラックが庭のそばまで入れるかといった、庭に立って見ないと分からないことで変わります。施工会社のページにも、正確な金額を出すには現地での確認が欠かせない、と書かれていました。

うちの実家も、そろそろ父と一度真剣に話さなければいけない、と私は思い始めています。この木は今年中に切る、ここは更地に戻す、ここは草よけのシートを張る、といった場所ごとの具体的な話です。

相談先が一つに決まりにくい

困るのは、庭じまいでは相談先が一つに決まりにくいことなんですよね。今回読んだ施工例も、植木屋や造園の会社、外構の会社、解体の会社と、出している会社の種類がまちまちでした。

どこへ相談すればいいかで手が止まってしまった方は、頼み先の違いを整理したこちらのページも参考にしてください。

何社かへ一度に頼む流れ

タウンライフリフォームの外構特集を使うと、何社かの外構の会社へ一度に見積もりを頼めます。このサービスは工事をする会社ではなく、間に入って依頼をつなぐ役です。依頼先の候補を挙げるのはサービスの役目で、届いた見積もりや提案に料金はかかりません。

最初に聞かれるのは建物の種類と築年数、工事したい場所の3つです。文字を打つのではなく、並んだ選択肢から当てはまるものを選んでいきます。答えの選択肢はそろっていて、古い家なら築年数は「築20年以上」、工事の場所は「庭」を押せば済みます。

どんな形にしたいかを文章で説明する欄はありません。なので、形がまだ決まっていなくても申し込めます。予算は「ちなみに、今のところご予算は」と聞かれるので、いま思っている額の見当で選べば大丈夫です。

住所を入れたすぐあとに「現在、こちらの住所にお住まいですか」と確かめられるので、実家と離れて暮らす子どもの側からも申し込めます。名前の入力は、候補の会社が画面に並んだあとに回ってきます。

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申し込む前に、よく出る心配

お金は?
公式の案内では、利用は無料で、契約のあとに利用料が上乗せされることもありません。
断れる?
公式の案内では、希望に合う会社が見つからなければ契約は要りません。断りにくいときは、代わりに会社へ伝えてもらうこともできます。
連絡は?
公式の案内では、申し込みのあと、1週間以内をめどに、メールや電話などで連絡が来ます。

押すと、まず「戸建てですか」と聞かれます。名前を入れるのは最後です。

無料で、何社かの見積もりと提案を受け取る

会社は複数選んだ状態で進めてください。見積もりと案は、何社分か届いてはじめて横に並べて比べられます。

遠回りになる方と、案の見比べ方

もう頼む会社を決めているなら、わざわざこのサービスを通す必要はありません。木の1、2本くらいなら、外構の会社の案を何社分も並べるより、植木屋さんに直接声をかけるほうが合っていると思います。住んでいる地域しだいで、候補の会社が出てこないこともあります。

届いた案は合計の金額から読むより、この記事の6つの形のどれに近いか、何を残す案になっているかで見比べると読みやすいと私は考えています。見積もりを並べるときの読み方は、こちらにまとめました。

結論

庭じまいのビフォーアフターは、木も草もなくなった平らな庭だけではありません。何をなくして、何を残すか。その組み合わせで、庭の「あと」はいくつにも分かれます。

まずはご家族で、残したいものを一つ挙げてみるところからで十分だと思います。

よくある質問

Q1.排水のますは埋めてよいか

A.道路との境の近くにある、市が管理する下水の公共ますは、埋めずにすぐ開けられる形で残しておくのが基本です。仙台市は、道路との境から1メートルほどの敷地の中に置かれた公共ますを埋めたり上に物を置いたりしないよう求め、外構工事などで位置や高さを変えるときは市の許可が要るとしています。私だったら、地面をコンクリートや砂利にする見積もりのときに、ますのふたを残す場所を図に書き込んでもらうと思います。

出典:仙台市「公共ますの維持管理」

Q2.水道管の位置を知るには

A.市の水道の窓口で、敷地の中の給水管の図面を見られることがあります。静岡市は、給水装置の持ち主か、委任状を持った代理の人なら、宅地内の給水管の図面(給水台帳)を窓口で閲覧できると案内しています。さいたま市は、敷地に引き込んだ給水管は持ち主の財産で、水道局が行う漏水の修繕などを除き、工事の費用は持ち主の負担になると書いています。

出典:静岡市「給水台帳(宅地内の給水管図面)の閲覧」

出典:さいたま市「家庭の水道のしくみ」

Q3.庭の境はどこで確かめるか

A.境の手がかりになる土地の図面は、法務局で写しを取れます。盛岡地方法務局は、地積測量図などの図面はどなたでも請求できるとしていますが、すべての土地に地積測量図があるとはかぎらず、請求には住所とは違うこともある「地番」が要ると案内しています。境に沿って塀やフェンスを立てる案が届いたら、その図面を見積もりの相談に持っていくという手もあります。

出典:盛岡地方法務局「土地・建物の地図・図面など」