庭じまいのお祓いは、なくす木や井戸ごとに考える。頼み先と初穂料、工事の日との合わせ方

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真上から見た庭の線画。木、井戸、池、庭石、小さな祠のそばに札が立ち、「ここごとに、お祓いの名前がある」と矢印で指している。「庭じまいのお祓い」「なくすものごとに考える」「頼み先・初穂料・工事の日との合わせ方」の文字

庭じまいのお祓いを考えるなら、まずは庭でなくすもの(木や井戸、池、庭石、祠)を挙げて、工事の日取りを決めるころに工事をする家の近くの神社へ相談するところから始めてみてください。

長く育ててきた木を切ることになって、お祓いをしないと罰が当たるのではと気になっている方もいると思います。親が庭の井戸や木を片付けると聞いて、お祓いをしなくていいのかと引っかかっている、子どもの立場の方もいるかもしれません。

ただ、お祓いの受けとめ方は、案内を出している側によって分かれていました。富山県神社庁は、人の手で木を切るならお祓いを勧めています。いっぽう、解体や井戸埋めの工事を扱う会社などの解説には、法律で決められたものではないと書くものがあるんです(私が見た範囲では4件)。

なので私は、お祓いをするかしないかは、決まりに従って決めるものではなく、その家の考え方や気持ちで決めていいと考えています。

なくすものそれぞれのお祓いの名前と中身、頼み方、工事の日との合わせ方は、持ち帰っていただけるようにまとめました。お宅でお祓いをするかどうかと、頼む神社の初穂料(神社に納めるお礼)がいくらかは、その家の考えと、神社に聞いてみてはっきりすることです。

この記事で分かること

  1. お祓いは庭全体に1つあるのではなく なくす木や井戸 池 祠ごとに分かれていて 名前は神社ごとに違っていた
  2. 剪定するだけなら お祓いは「必要ないかと思います」と富山県神社庁は案内している
  3. 地鎮祭をどの神社に頼むかという問いに 神社本庁は氏神さまにお願いし 氏神さまは自宅にいちばん近い神社の場合が多いと答えている
  4. 初穂料を公開している神社11社のうち9社は 2万円から4万円ほどに「から」や「以上」をつけた書き方だった

庭じまいのお祓いは、何のためにするものなのか

富山県神社庁の案内では、昔の人は木に御霊が宿ると感じて「木霊(こだま)」と呼び、やむなく切るときはお祓いをして木霊を鎮めるお祭りをしてきたと書かれています。

井戸を埋めるときのお祭りは、井戸が大地の神と水の神の恵みをくみ出してきた場所なので、深く感謝して、埋めることのお許しを願うものだと、同じ神社庁は案内しています。池を埋めるときも、大地の神様にこれまでのお礼を申し上げるお祭りだとされていました。

調べた神社の案内でも、これまでの感謝を伝え、なくす事情を奉告(神様に申し上げること)し、工事の安全を祈る、という中身が並んでいました。

群馬県の神社のブログには、神棚やお稲荷さんの撤去を頼む人について「共通していらっしゃるのは神様に対して最後まで丁寧に対応したい、というお気持ちです」と書かれていたんです。

お祓いの中身を3つの札で左から右へ並べた図。これまでの感謝を伝える、なくす事情を奉告する、工事の安全を祈る。なくすものの例は木・井戸・池・祠。神社庁・神社の案内から
神社庁や神社の案内ではお祓いの中身は感謝を伝えることとなくす事情の奉告と工事の安全の祈り

お祓いを省いた場合はどうなるのか。それを書いた神社や神社庁の案内は、私が見た範囲では見つかりませんでした。

書かれていたのは勧め方のほうで、富山県神社庁は人の手で木を切るならお祓いを勧めています。それとは別に、工事の会社などの解説4件には、法律の決まりではないと書かれていたわけです。

庭のどれを片付けるとき、どんなお祓いがあるのか

神社庁や神社、寺の案内と、工事の会社の解説に出てきたお祓いを、なくすもの別に並べるとこうなります。伐採(木を切り倒すこと)と剪定(枝を切って形を整えること)は、分けて並べています。

なくすものお祓いの名前の例案内に書かれていた中身
木を切る・抜く樹木伐採清祓、伐木祭、杣木祭など(寺では伐木撥遣)木への感謝と、切ることの奉告、作業の安全
木を剪定するだけ—富山県神社庁は、定期的な枝打ちは手入れで伐採にあたらず、お祓いは「必要ないかと思います」と案内
井戸を埋める埋井祭、水神上げ、井戸清祓など水の恵みへの感謝と、埋めることのお許し
池を埋める池埋め立ての祓いなど大地の神様への、これまでのお礼
庭石を動かす・処分する名前の付いた祭りは、調べた範囲では見当たらずお祓いの品目に庭石を挙げる会社や、気になれば地元の神社へ、と書く会社の解説がある
庭の祠・お稲荷さん昇神祭、神上(かむあげ)などこれまでの感謝を伝えて、神様にお帰りいただく
家を解体する解体清祓など無事に過ごせた感謝と、取り壊しの事情の奉告、工事の無事

表のとおり、お祓いは庭全体に1つあるのではなく、なくすもの別に分かれているんです。しかも同じ木のお祓いでも、名前は神社ごとに違っていました。

木のふたをした古い井戸と大きな木と石灯籠がある庭の絵
古い井戸と大きな木と石灯籠のある庭の絵

木について富山県神社庁は、定期的な枝打ちは手入れなので伐採にはあたらないと書き、気になれば氏神神社の神職に相談を、と添えていました。

真上から見た庭の配置図に、なくすものごとの丸い札を立てた図。木を切る・抜くなら樹木伐採清祓・伐木祭など、井戸を埋めるなら埋井祭・水神上げなど、池を埋めるなら池埋め立ての祓い、庭石は神社に相談する例も、祠・お稲荷さんは昇神祭・神上げ。剪定するだけなら、お祓いは必要ないかと思います(富山県神社庁)。名前は神社ごとに違う
調べた案内ではお祓いの名前はなくすものごとに分かれ同じ木でも神社ごとに名前が違った

なので、何をなくして何を残すかが決まってくると、お祓いの相手になる木や井戸も決まってくると私は思います。

切らずに小さくして残す木の選び方は、別の記事で扱っています。

ただ、お祓いをするかどうかは、家族の中で受けとめ方が分かれることもあります。

家族で受けとめ方が違うときは、どう決めればいいのか

家族で木を切ると決めたあと、工事の前になって自分だけが気になり出すこともあるでしょう。親が井戸や池を埋めたあとで、お祓いをしたのかを聞きにくく感じることもあるかもしれません。

縁側に座って庭の古い松を見る家族の後ろ姿の絵
家族で縁側から古い松の木を眺める後ろ姿の絵

同じ家族の中で気にする人と気にしない人がいるのは、珍しいことではないと思うんです。

お祓いをするかしないかは、決まりで決められているものではなく、その家の考え方や気持ちで決めていいと私は考えています。

そのうえで、家族の中に一人でも気になる人がいるなら、その気持ちは軽く扱わないほうがいいと私は思います。気にしているのが親でも子どもでも、そこは同じだと思うんです。

当事者ではない立場から

実家の庭のことでは、私自身は当事者ではありません。なので、無責任なことは言えないと思ってきました。

庭をどうするかを決めるのは、父にとっても軽いことではないように、私には見えます。

埋めたあと、切ったあとで気になったら

もう木を切ったり井戸を埋めたりしたあとで気になり出した場合はどうでしょう。井戸については、富山県神社庁が「すでに埋めてしまった場合は、できるだけ早いうちにお祭りしましょう」と案内しています。

木については、切ったあとからでも清められると書く解説が、伐採の会社と僧侶の出張をしている寺に1件ずつありました。

お祓いをすると決めたら、次はどこに、どう頼むかです。

お祓いは、どこに、どう頼めばいいのか

神社本庁は、地鎮祭をどの神社に頼めばいいかという問いに、地域を守る氏神さまにお願いし、氏神さまは自宅にいちばん近い神社の場合が多いと答えています。神社に神職が常駐していないときは、都道府県の神社庁に相談するよう案内していました。

氏神さまが分からないときは、近くの神社や神社庁に尋ねればよいと、大阪府と兵庫県の神社庁が案内しています。

注意

出張でのお祓いは氏子区域(その神社が受け持つ地域)に限ると書いている神社が2社ありました。実家の庭の工事だと、子どもが住む町の神社では受けてもらえないこともある、というわけです。

申し込みと、当日の用意

申し込みは電話か来社で、と案内する神社があり、施主(工事を頼む人)の名前や現地の住所を聞くと書いた神社もありました。予約は1週間ほど前までとする神社や、半月前までとする神社があります。12月半ばから1月半ばは出張を受け付けない神社もあります。

当日のことでは、神職の送迎を施主に頼む神社が5社ありました。お供え物は、米や酒、塩、野菜などを施主が用意する神社と、神社の側で用意してもらえる神社に分かれています。

頼み方の流れを4つの札で並べた図。氏神さま(家の近くの神社)を確かめる、電話か来社で申し込む(名前・現地の住所・日時)、1週間〜半月前までに、当日のお供え物・送迎を確かめておく。氏神さまは、家にいちばん近い神社の場合が多い(神社本庁)。出張は氏子区域に限る神社もある
家の近くの氏神さまに電話か来社で申し込み予約の期限は1週間ほど前までや半月前までと神社で分かれる

寺に頼む方法、自分で清める方法

寺にも、年を経た木を切る前の作法として伐木撥遣(ばつぼくはっけん)を案内するところがありました。ただ見つかった寺の案内は2件なので、付き合いのある寺に相談するやり方もある、というところまでにしておきます。

塩や酒を自分でまいて清める方法を案内していたのは、私が調べた範囲では伐採や解体の会社などの解説でした(8件)。神社の案内では、米や酒、塩は神職が来るときのお供え物として出てきます。

頼むとなると、気になるのが初穂料です。

お祓いの初穂料は、どのくらい見ておけばいいのか

出張してもらうお祓いの初穂料について、額を公開している神社を11社見ました。9社は、2万円から4万円ほどの額に「から」や「以上」をつけた書き方でした。残りの2社は、4万円と基本5万円と、それぞれ額を決めていました。

赤い鳥居と石の参道と大きな木がある小さな神社の絵
家の近くの小さな神社の絵

しかも「から」の額なので、この額で収まるとは限らないんです。

お供え物を神社に用意してもらう場合は、5千円から1万円ほどを足す神社が4社ありました。額を書いていない神社や「初穂料等はお問い合わせ下さい」とする神社もあるので、額は申し込むときに神社へ聞くことになります。

包むときは、熨斗袋に「初穂料」「玉串料」などと書くよう案内している神社がありました。

工事そのものにかかる費用は、庭じまいの費用の記事で見ています。

自分の庭のお祓いは、工事のどの段階で決めればいいのか

伐採の会社の解説には、お祓いは伐採作業の直前に行うと書くものが2件ありました。うち1件は、できれば当日の朝に行ってそのまま工事に入るのが理想だとしています。施主が立ち会えないときは、前日までに神職だけで行う例もあるそうです。

庭の大きな木の前に小さな台を置きお祓いをする神職の後ろ姿の絵
庭の古い木の前でお祓いをする神職の後ろ姿の絵

神奈川県の神社のブログでも、境内の大木を切る前のお祓いに、作業をする植木屋さんが参列していました。

これに神社への申し込みの時期を重ねると、段取りはおおよそ「何をなくすかを決める → 工事の会社と日取りを決める → 神社に申し込む → 当日の朝などにお祓い → 工事」の順に並びます。

お祓いの扱いは工事の会社で分かれる

ところが、お祓いの扱いは工事の会社によって分かれていました。希望すれば神社に頼んでくれる会社もあれば、提携の神社を紹介する会社や、施主が自分で神社に頼む形の会社もあります。

お祓いの日は工事の日に合わせることが多いので、工事を頼む会社を決めて、その会社にお祓いのことを伝えておくほうが、段取りを合わせやすいと私は思います。

井戸を埋めるときは、井戸の底から地上へパイプや竹筒を立てる「息抜き」を工事に入れる会社があります。風習の意味とガスや湿気を逃がす意味があると書く解説が3件ある一方で、必要ないという考えもあると書く会社もありました。

段取りを左から右へ並べた帯の図。何をなくすか決める、工事の会社と日取り、神社に申し込む、当日の朝などにお祓い、工事。下に、井戸を埋めるときの断面で、井戸の底から地上へ伸びる息抜きのパイプ
おおよその段取りは何をなくすか決めて工事の会社と日取りを決めてから神社に申し込みお祓いのあと工事

工事の頼み先も、なくすもので分かれる

工事の頼み先も、なくすものによって分かれます。木の手入れは植木屋さん、井戸や庭石の片付けは解体の会社、片付けたあとの地面は外構(家の外まわりの工事)の会社といった具合です。

お祓いの段取りより先に、工事をどこに相談するかで迷っているなら、頼み先ごとの受け持ちを並べたページがあります。

それに、何をなくしてそのあとの地面をどうするかは、現地を見てもらわないと決まらないんです。

片付けたあとの地面の見積もり

タウンライフリフォームの外構特集は、片付けたあとの地面の形について、外構の会社に見積もりと提案を頼めるサービスです。サービス自体は、依頼を会社へつなぐ仲立ち役です。頼む先の会社もサービスの側が選んでくれて、案と見積もりは無料で受け取れます。

なくすものがまだ決めきれていない段階でも、工事の場所の問いには「庭」という答えを選べます。ほとんどの問いは、出てくる答えの中から当てはまるものを押すだけです。築年数の問いには「築20年以上」も並んでいて、要望を文で書く場面は出てきません。

「ちなみに、今のところご予算は」という予算の問いには、お祓いや工事の中身が決まる前のおおまかな額で答えておいて大丈夫なんです。

工事をする建物の住所を入れたあとには、「現在、こちらの住所にお住まいですか」という問いが来ます。「いいえ」を選んでも先へ進めるので、実家を離れて暮らす子どもが申し込むこともできます。名前の入力は後回しで、会社の候補を見てから出てくる仕組みです。

お祓いの段取りとは別に、片付けたあとの地面のことは、タウンライフリフォームの外構特集で何社かの外構の会社に、見積もりと提案を無料で頼めます。

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申し込む前に、よく出る心配

お金は?
公式の案内では、利用は無料で、契約のあとに利用料が上乗せされることもありません。
断れる?
公式の案内では、希望に合う会社が見つからなければ契約は要りません。断りにくいときは、代わりに会社へ伝えてもらうこともできます。
連絡は?
公式の案内では、申し込みのあと、1週間以内をめどに、メールや電話などで連絡が来ます。

押すと、まず「戸建てですか」と聞かれます。名前を入れるのは最後です。

庭の工事の見積もりと提案を、無料で取り寄せる

会社は複数選んだ状態で進めてください。何をどこまで工事するかを決める前に、何社分かの案と見積もりを横に並べて比べられます。

直接相談するほうが早い場合

一方で、工事の会社がもう決まっていてお祓いの段取りだけを確かめたい方は、この申し込みを使うより、その会社と神社に直接相談するほうが話が早いと思います。お祓いの手配そのものを頼みたい方も、家の近くの神社に直接聞いてみるのがいちばん確かです。

切りたい木が1、2本という方なら、外構の会社を探すより、近所の植木屋さんに一本電話を入れるほうが早いでしょう。それと、お住まいの地域に取り次げる会社がいない場合は、紹介を受けられません。

結論

庭じまいのお祓いは、庭全体で一度に「するかしないか」を決めるものではなく、なくす木や井戸ごとに工事の段取りと一緒に決まっていくものだと私は考えています。

まずは庭の中でなくすことになりそうなものを、ひとつずつ挙げてみてください。

よくある質問

Q1.池の魚はどうすればよいか

A.環境省は、飼っている魚などの水の生きものを近所の川や池に放さないよう呼びかけていて、日本にもともといる種類でも放してはいけないとしています。どうしても最後まで飼えないときは、まず家族や友人に引き取ってくれる人がいないか相談し、引き取りを行っている店もあると案内しています。私だったら、池を埋める日を決める前に、魚の引き取り先を先に決めておくと思います。

出典:環境省「水生生物を野外に放流しないで!」

Q2.切る木に鳥の巣があったら

A.大阪府は、木の剪定や伐採で鳥の巣を撤去するときは必ず巣の中を確かめ、卵やヒナがいなければ撤去できるとしています。卵やヒナがいる巣は撤去できないので、巣立ちを待ってから撤去するよう案内しています。お祓いと伐採の日を決める前に、切る木に巣がないかを見ておくという手もあります。

出典:大阪府「野鳥が巣を作ったときの対応」

Q3.井戸を残す例はあるか

A.札幌市は、個人や民間の事業者が設けた井戸を、大きな地震で水道が止まったときに生活用水をボランティアで出してもらう「災害応急用協力井戸」として登録しています。井戸を設けた人が水を出す義務を負うものではない、とも書いています。私だったら、井戸を埋めるか迷っているときは、実家のある市にこうした井戸の制度があるかを先に調べると思います。

出典:札幌市「災害応急用協力井戸」