庭の相続で生じる負担を減らす5つの対策

ミホさん

親が亡くなって実家を相続したんだけど、庭がすごく立派でさ…。
剪定とか石とか、どうしたらいいかまったく分からなくて困ってるんだよね。

Kさん

庭って手入れが大変なイメージはあるけど、相続税とか費用とか、お金まわりの話も出てくるって聞いたことあるよ。実際どのくらい大変なの?

ミホさん

庭石にまで税金がかかるとか、処分費用が数十万円になるとか、知らないことだらけで正直びっくりしてる…。

Kさん

それは確かに知っておかないとまずいね。
税金の話も、費用の話も、ちゃんと整理しておきたいな。

この記事を読むと分かること
  • 庭園設備が相続税の課税対象になる理由と評価の仕組み
  • 遺族が感じる庭の維持費・処分コストの具体的な目安
  • 管理費用を誰がどう負担するかという法的なルール
  • 家族に庭の負担を残さないための生前対策と具体的な選択肢
目次

庭の相続で生じる負担の全体像を知ろう

庭の相続で生じる負担の全体像を知ろう
  • 庭石・石灯籠・池などが相続税の課税対象になる仕組みを知っておこう
  • 土地としての庭の評価と、小規模宅地特例でどこまで節税できるかがわかる
  • 遺族が「しんどい」と感じやすい3つのケースと年間維持費の具体的な数字を整理する

庭の相続で困ること、というと「手入れが大変」というイメージが先に来ると思います。

でも実際には、税金の話や費用の負担ルールなど、知っておかないと後で困ることがたくさんあるんですよね。まずはざっくりと、庭の相続にまつわる負担の全体像を把握しておきましょう。

庭園設備が相続税の課税対象になる理由

庭園設備が相続税の課税対象になる理由

庭石や石灯籠、池、蹲踞(つくばい)、庭木といった庭園設備は、相続税法上「家庭用財産」として相続財産に含まれます。相続税法第22条では「財産の評価は時価による」とされていて、庭園設備もその例外ではないんです。

ぼくが最初にこれを知ったとき、正直「え、庭石にまで税金がかかるの?」と驚きました。土地や建物だけじゃなかったんですよね……。

ただ、評価額がゼロまたは極めて低くなるケースもあります。たとえば、単なる安価な植木や普通の砂利敷きは評価対象にならないこともあるので、すべての庭が高額になるわけではありません。

問題になるのは、銘石や大型の庭石、精巧な石灯籠、人工池などが複数ある「本格的な庭」のケースです。こういったものは1点ずつ評価が必要になるので、申告漏れが起きやすいんですよね。

庭園設備を申告し忘れると、こんなペナルティが発生することがあります。

  • 修正申告が必要になり、手間と時間がかかる
  • 過少申告加算税(原則10%)が課される
  • 延滞税が上乗せされることもある

相続税の申告をする際は、庭の設備も含めて税理士に確認するのがおすすめです。財産評価の基本的な考え方については、国税庁「財産の評価(相続税)」のページに詳しく記載されています。

庭石や灯籠の相続税評価の計算方法

庭石や灯籠の相続税評価の計算方法

庭園設備の相続税評価は、国税庁の財産評価基本通達に基づいて行われます。計算式はシンプルで、評価額=調達価額(現在同じものを調達するのにかかる費用)×70%が実務上の目安です。70%という数字は、経年劣化などを考慮した減価率として使われています。

たとえば、現在100万円で同じ庭石を調達できるとすれば、評価額は70万円になるイメージです。複数の庭石や石灯籠がある場合は、それぞれを合算して申告することになります。本格的な日本庭園だと、庭全体の評価額が数百万円規模になることもあるんですよね。

主な評価対象となる庭園設備をまとめると、こんな感じになります。

設備の種類評価の有無ポイント
庭石(銘石・景石)ありサイズ・品質により高額になる
石灯籠あり数が多いほど評価額が上がる
池(人工池・錦鯉池)あり構造物として評価される
蹲踞(つくばい)あり茶庭に多い設備
庭木(高木・希少種)あり樹齢・希少性による
芝生低〜なし一般的に評価は低め
フェンス・垣根場合による建物附属設備の場合も

高価な銘石や大型の御影石は、1個あたり数十万〜数百万円の評価がつくこともあります。本格的な庭園がある場合は特に、早い段階で税理士に相談するのがいいと思います。

ぼく自身、実家の庭の評価をしてもらったとき、思っていたより高い数字が出てびっくりした記憶があります。「大したことない庭だろう」と思っていても、専門家の目線では全然違う見え方をすることがあるんです。「庭が豪華なほど相続税にも影響しやすい」というのは、覚えておいたほうがいいんですよね。

土地としての庭の評価と小規模宅地特例

土地としての庭の評価と小規模宅地特例

庭園設備だけでなく、庭として使っている土地そのものも相続財産として評価されます。庭部分の土地は宅地として、路線価方式または倍率方式で評価されます。庭の面積が広いほど、土地の評価額は高くなるんですよね。

路線価方式というのは、道路に面した土地の単価(路線価)をもとに計算する方法です。倍率方式は、固定資産税評価額に一定の倍率をかけて求める方法で、路線価が設定されていない地域で使われます。

小規模宅地等の特例:庭の土地にも適用できるかもしれません

  • 被相続人の居住用宅地は330㎡まで評価額を80%減額できる
  • 庭部分も自宅の敷地の一部として特例の対象になる可能性がある

ただし、相続人が同居していたかや申告期限まで不動産を保有し続けているかなど、細かい適用条件があります。自分のケースで使えるかどうかは、必ず専門家に確認するのがおすすめです。

「特例があるから大丈夫」と思い込んで申告を誤ると、後から税務署に指摘されることもあるので注意が必要です。これは相続税額への影響がかなり大きい特例なので、ぜひ知っておいてほしい制度だと思っています。

庭に残された家族が迷惑を受けやすい3つのケース

庭に残された家族が迷惑を受けやすい3つのケース

庭の相続で遺族が「しんどいな」と感じやすいパターンは、大きく3つに分けられると思っています。それぞれのケースを具体的に見ていきましょう。

ケース①:広い庭付き実家を誰も住まず相続したケース

子どもたちが独立してそれぞれ別の家に住んでいる場合、誰も実家に戻らないまま相続が発生することはよくある話です。この場合、誰も住まない空き家の庭の維持費が、年間10万〜20万円ほどかかり続けることになります。剪定や草刈り、害虫駆除……と、誰かが管理しなければ庭はすぐに荒れてしまいます。

しかも空き家を放置し続けると、自治体から「特定空き家」に指定されるリスクがあります。指定されると固定資産税の住宅用地特例が解除され、土地の固定資産税が最大6倍になる可能性があるんです。管理の手間と費用が永続的にのしかかるうえ、放置するとペナルティまで発生するという、なかなか厳しい状況なんですよね。こういうケースでは、早めに不動産の売却や庭のローメンテナンス化を検討するのが現実的だと思います。

ケース②:高価な庭石や石灯籠が多数ある庭のケース

被相続人が庭づくりに力を入れていた場合、銘石や石灯籠が複数あることがあります。これらは相続財産として申告が必要なうえ、処分しようとすると撤去費用が数十万〜百万円単位でかかることもあります。大型の庭石は重機がないと動かせないので、撤去・処分費用だけで30万〜100万円以上になることも珍しくありません。

さらに感情的にも、「親が大切にしていたものを捨てるのは……」となりやすいので、精神的な負担も大きいんですよね。ただ、銘石は稀に買取業者が高値をつけることもあります。処分を急がずに、まず複数の専門業者に査定を依頼してみるのがおすすめです。

ケース③:庭自慢の親から相続したが手入れができないケース

親が丹精込めて育てた庭ほど、子どもにとっては管理が重荷になりやすいんです。手入れをやめると庭はすぐに荒れてしまいます。雑草が伸び、庭木が越境し、害虫が発生するみたいな状態になると、近隣トラブルに発展するリスクもあります。

2023年4月に施行された民法改正では、越境した庭木の枝について、催告後3週間が経過すれば隣地の所有者が自ら切除できるようになりました。以前より近隣からの苦情やトラブルのリスクが高まっているんです。「親の庭だから大事にしたい」という気持ちは当然なんですが、現実的に管理できない状況が続くと、周囲への迷惑にもつながってしまいます。感情と現実のバランスを取りながら、庭の縮小や管理の見直しを考えていく必要があるかもしれません。

遺族が負担する庭の年間維持費の目安

遺族が負担する庭の年間維持費の目安

「庭の維持費ってどのくらいかかるの?」というのは、みんな気になる部分だと思います。以下はあくまで一般的な目安で、実際の費用は庭の規模や地域、業者によって大きく変わるので参考程度に見てください。

維持作業の種類費用の目安(年間)
剪定・刈り込み(小〜中規模の庭)3万〜10万円程度
除草・草刈り(業者依頼)3万〜15万円程度
害虫駆除(薬剤散布)1万〜3万円/回
池のメンテナンス(3〜5坪)5万〜20万円程度

松の剪定は特に難しく、1本あたり1万〜5万円かかることもあります。池があると水換えやフィルター管理の電気代も加わって、維持費がかさみやすいんですよね。さらに、庭石や庭木を将来処分しようとすると、別途でかなりの費用が必要になります。

処分内容費用の目安
中型庭石(50〜100kg)の撤去2万〜5万円/個
大型庭石(500kg以上)の撤去10万〜30万円以上
高木(5m以上)の伐採3万〜10万円/本
大径木(杉・欅など)の伐採10万〜50万円/本
庭全体の整地・撤去30万〜100万円以上

こうして数字を並べると、「維持するのも処分するのも、どっちもお金がかかる」という現実が伝わると思います。維持コストは毎年かかり続けるので、長期で見ると相当な金額になるんですよね。たとえば、年間15万円の維持費が10年続けば150万円です。それに加えて、いつかは発生する処分費用も考えると、庭の負担は決して小さくないことがわかります。だからこそ、生前に少しずつ手を打っておくことが大切なんですよね。

ミホさん

庭の維持費って、毎年こんなにかかるんだね…。
生前にできることって、具体的に何があるんだろう?

Kさん

庭を手入れが要らない状態にリフォームしたり、庭石を生前に処分したりする方法があるみたいよ。
遺言書に処分の指示を書いておくこともできるって聞いたことあるな。

庭の相続による負担を軽くするための対策

庭の相続による負担を軽くするための対策
  • 相続発生から遺産分割確定までの管理費用は誰がどう負担するのか知っておこう
  • 庭をローメンテナンス化するリフォームや生前処分で遺族の負担を大きく減らせる
  • 空き家の庭を放置した場合に生じる税務・法律リスクを把握しておこう

庭の相続にまつわる負担が分かったところで、次は「じゃあどうすればいいの?」という部分を見ていきましょう。管理費用のルールから生前対策の具体的な方法まで、順番に整理しています。

遺族への庭の負担を左右する管理費用の負担ルール

遺族への庭の負担を左右する管理費用の負担ルール

相続が発生してから遺産分割が確定するまでの間、庭付き不動産は相続人全員の共有財産になります(民法898条)。そのため、固定資産税や維持費などの管理費用は、各相続人が法定相続分に応じて負担するのが原則です。

たとえば、相続人が子ども2人で法定相続分が2分の1ずつなら、維持費もそれぞれ半分ずつ負担するのが基本的な考え方です。ただ実際には、現地に住んでいる相続人や近くに住む相続人が立て替えるケースが多いんですよね。

管理費用をめぐるトラブルを防ぐために知っておきたいポイントです。

  • 立替費用は後から費用償還請求・不当利得返還請求(民法703条)ができる
  • 遺産分割協議の際にまとめて清算するのが一般的な流れ
  • 遺産分割が終わって不動産を取得した相続人が決まれば、以降の管理費は取得者が全額負担する

「誰が払うの?」という問題は相続人間でもめやすいポイントです。話し合いが難航する場合は、弁護士や司法書士など第三者の専門家を間に入れることも選択肢のひとつです。

早めに遺産分割協議を進めることが、結果的に全員の負担を減らすことにつながると思っています。放っておくほど費用は積み上がるし、関係者間の感情的なこじれも大きくなりやすいので、できるだけ早く動くほうがいいんですよね。

庭の縮小リフォームでローメンテナンス化する方法

庭の縮小リフォームでローメンテナンス化する方法

庭の維持が大変なら、そもそも手入れが要らない庭に作り替えてしまうというのがひとつの方法です。ローメンテナンス化の代表的な方法としては、コンクリート打ちや砂利敷き、防草シートの設置などがあります。

ぼくの実家でも、池と大きな庭石を撤去して、その部分を砂利に替えたところ、年間の管理費が半分近くに下がりました。リフォーム費用はかかりましたが、長い目で見るとかなり楽になった感じです。生前にこのローメンテナンス化を進めておくと、相続後に遺族が管理で困るリスクを大きく減らせます。

庭の縮小リフォームを考える際の主な選択肢はこんな感じです。

  • 庭の一部または全面をコンクリートで舗装する
  • 防草シート+砂利敷きで雑草を抑制する
  • 池を埋め立てて平坦化する
  • 管理が難しい高木を伐採して本数を減らす
  • 植栽を常緑樹や低メンテナンスな植物に替える

コンクリート打ちは一度施工すればほぼ管理不要になるので長期コスト削減効果が高く、砂利敷きは費用が安い反面、定期的な補充が必要なこともあります。庭の広さや予算に応じて組み合わせるのがおすすめです。

リフォームにかかる費用や効果は庭の状態によって異なるので、造園業者や外構業者に見積もりを取ってみることをおすすめします。複数の業者から比較することで、費用感がつかみやすくなりますよ。

庭石や庭木を生前に売却・処分する手順

庭石や庭木を生前に売却・処分する手順

庭石や庭木を生前に処分しておくことは、相続財産の圧縮と遺族の処分コスト削減の両方に効果がある対策です。処分といっても「捨てる」だけじゃないんですよね。庭石は稀に買い取ってもらえることがあるので、まずは査定を依頼してみる価値があります。

庭石の売却・処分の流れ

銘石や大型の景石は、庭石専門の買取業者が査定してくれることがあります。状態が良い銘石なら、1個あたり数十万〜数百万円の価値がつくケースも。ただし、価値がゼロに近い石も多いので、まずは複数の業者に査定を依頼して比較することが大切です。

買取できない石や安価な石材は、産業廃棄物として処分するか、造園業者や解体業者に撤去を依頼することになります。大型石材は重機が必要になるため、撤去費用が高くなりやすいです。早めに相談を始めると、業者の選択肢も広がって費用を抑えやすくなることがあります。

庭木の伐採・処分の流れ

管理が難しい高木や老木は、造園業者に伐採を依頼します。費用の目安は、低木(1m以下)で1本3,000〜5,000円、高木(5m以上)で3万〜10万円程度です。大きな木ほど費用がかさむので、早めに手を打つほうがコストを抑えやすいです。

希少な庭木は、近隣の造園業者やオークションサイトへの出品で引き取り手が見つかることもあります。「ただ捨てるのはもったいない」と感じる木は、まず造園業者に相談してみるといいと思います。なお、相続発生後に庭木の伐採費用を相続財産から支出したい場合は、相続人全員の同意が必要になるケースがあります。生前に対処しておくほうが、手続き面でもシンプルで動きやすいんですよね。

遺言書や家族信託で庭の処分を指示する方法

遺言書や家族信託で庭の処分を指示する方法

生前に庭を整理しきれない場合でも、遺言書や家族信託を使うことで、遺族の判断の負担を軽くすることができます。

遺言書での庭の処分指示

遺言書に、庭石は売却して換価することや庭木は伐採してよいこと、庭付き不動産は売却して相続人で分割することといった内容を記載しておくことができます。こうした指示が書かれているだけで、遺族が「処分していいのかどうか」と迷う時間がなくなります。

感情的にも「お父さん(お母さん)がそう言っているから」という形になるので、踏み出しやすくなるんですよね。さらに、エンディングノートに庭の管理業者の連絡先や庭石の来歴、処分に関する希望を書き残しておくと、より丁寧な引き継ぎができます。「この庭石はどこから買ったものか」「この木は何年前に植えたものか」といった情報が残っていると、買取業者への説明もスムーズになるんです。

遺言書は公正証書遺言にしておくと、後から内容の有効性をめぐるトラブルが起きにくいのでおすすめです。

家族信託の活用

家族信託を使うと、庭付き不動産を信託財産として管理者(受託者)を指定できます。相続発生後の管理の空白期間をなくせるのが最大のメリットです。遺産分割が確定するまでの間も、指定した管理者がスムーズに対応できるので、庭の荒廃リスクを防ぎやすくなります。

たとえば、長男を受託者に指定しておけば、相続発生後すぐに庭の管理や業者への連絡を始めることができます。空き家・空き庭が放置されるまでの「タイムラグ」を埋められるのは、近隣トラブル防止の観点でも大きいんですよね。家族信託は設計が複雑で、費用もかかる場合があります。司法書士や弁護士など、専門家に相談のうえで検討するのがいいと思います。

空き家の庭を放置した場合に生じるリスク

空き家の庭を放置した場合に生じるリスク

誰も住まない実家の庭を放置するのは、思っている以上にリスクが大きいんです。具体的にどんなリスクがあるのか、整理しておきましょう。

特定空き家に指定されるリスク

2015年に施行された空き家等対策特別措置法により、管理が不十分な空き家は「特定空き家」に指定される可能性があります。指定されると、まず行政から勧告が来ます。そして固定資産税の住宅用地特例が解除されると、土地の固定資産税が最大6倍になるんです。もともとの固定資産税が年間10万円だとすれば、最大60万円まで跳ね上がることになります。

庭の管理不全、つまり倒木リスクや雑草の繁茂、害虫の発生といった状態も「管理不全」と見なされる根拠になりうるので、庭の放置は特に注意が必要です。「建物さえ壊れていなければ大丈夫」というわけではないんですよね。

近隣トラブルのリスク

放置した庭木の枝が隣地に越境した場合、2023年4月に施行された民法改正によって、隣地の所有者が催告後3週間で自ら枝を切除できるようになりました。以前は隣地の木の枝を勝手に切ることはできなかったので、この改正でトラブルのリスクが高まっています。

雑草が隣の庭に侵入したり、害虫が発生して近隣に迷惑をかけたりするケースも珍しくありません。近隣から苦情が来てから対応するのは、費用も時間もかかるし、関係修復にも労力が要ります。先手を打って管理するか、早めに売却や処分を決断するほうが、最終的には楽なんですよね。

相続放棄しても管理義務は残る場合がある

「庭が負担なら相続放棄すればいい」と考える方へ、知っておいてほしいことがあります。

  • 庭石だけ・庭木だけを選んで放棄することはできない(相続放棄は財産全体が対象)
  • 相続人全員が放棄した場合でも、相続財産管理人が選任されるまで管理義務が残る場合がある(民法940条)
  • 放棄すれば終わり、というわけにはいかない

相続放棄を検討する際は、必ず弁護士や司法書士に相談したうえで判断することをおすすめします。

庭の相続にまつわる負担を減らすためのまとめ

庭の相続にまつわる負担を減らすためのまとめ

というわけで、ここまでの内容を整理しておきましょう。庭の相続にまつわる負担は、大きく3つに分けて考えると整理しやすいと思っています。

①税務面の負担として、庭石や石灯籠、池などの庭園設備は相続財産として課税対象になります。調達価額×70%で評価されるため、本格的な庭園ほど相続税額への影響が大きくなります。申告漏れには過少申告加算税や延滞税が課されることもあるので、税理士への確認は必須です。

②経済的な負担(維持費・処分費)として、庭の年間維持費は小〜中規模でも数万〜十数万円かかります。大型庭石の撤去や高木の伐採は、1件あたり数十万円になることも。放置すれば固定資産税が増えるリスクまであります。「維持するのも処分するのもお金がかかる」という現実と向き合いながら、早めに対処するのがベストだと思っています。

③心理的・肉体的な負担として、親が大切にしていた庭を処分することへの罪悪感や、近隣トラブル対応の精神的な疲労感も見逃せません。遺言書やエンディングノートで処分の方向性を伝えておくと、遺族の気持ちが少し楽になります。「自分が決めておいてあげる」という行動が、家族への一番の思いやりになることもあるんですよね。

これらの負担を軽くするために、今からできる生前対策をまとめると次の通りです。

対策主な効果
庭の縮小リフォーム(砂利敷き・コンクリート打ち)維持費を年間数万〜十数万円削減
庭石・庭木の生前売却・処分相続財産の圧縮+処分コスト削減
遺言書への処分指示の記載遺族の判断の負担を軽減
家族信託の活用相続後の管理の空白期間をなくす
エンディングノートへの記録遺族が判断しやすくなる
  • 庭園設備は相続税の課税対象になるので、税理士への確認は必須
  • 維持費も処分費も長期でみると相当な金額になる。早めに手を打つほど選択肢が広がる
  • ローメンテナンス化リフォームや生前処分で、遺族の負担を大きく減らせる
  • 遺言書・家族信託・エンディングノートを使えば、遺族が判断に迷う時間をなくせる
  • 空き家の庭を放置すると固定資産税の増税や近隣トラブルのリスクがある。早めの決断が一番の対策

ぼくが実際に感じたのは、「早く動けば動くほど、選択肢が増える」ということです。庭石の買取業者に相談できたり、リフォームを比較検討できたりするのは、時間的な余裕があるからこそなんですよね。相続が発生してからだと、悲しみの中でバタバタと判断しなければならなくなります。できれば元気なうちに、少しずつ手を打っておくことをおすすめしたいと思っています。

税務や法律の判断については、必ず税理士や司法書士などの専門家に相談してください。この記事はあくまで一般的な情報の整理であり、個別の状況によって適切な対応は異なります。庭の処分方法や維持費の詳しい見積もりについては、造園業者や解体業者への相談が一番の近道です。まずは気軽に複数の業者に問い合わせてみることから始めてみるといいと思います。

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